“地面師”主犯が獄中から「前澤友作」に出資要請 「貧しい人のための国を作る」

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“ひっそりお金配りおじさん”を自称するZOZO創業者の前澤友作氏(45)。彼のもとには、個人や企業、地方自治体などから連日ラブコールが届くという。そしてついに、あの地面師事件で暗躍した“怪人物”からも出資要請が――。さて、その“プラン”の中身はいかなるものか。

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 かの積水ハウスが約55億円を騙し取られた地面師事件。その主犯格であるカミンスカス操(みさお)被告(61)が、前澤氏に“獄中”から熱烈なラブコールを送っている。

 被告には懲役11年の実刑判決が下されているが、今月1日の東京高裁で行われた控訴審では、

「裁判長! これじゃ控訴した意味がないじゃないですか!」

 と声を張り上げ、

「一審において、私が有罪だという証拠は一切ないと思っている」

 などと怪気炎。法曹関係者をうろたえさせた。一方、東京拘置所の面会室では接見した本誌(「週刊新潮」)記者に、

「俺は未決勾留期間を入れても10年くらいは入ることになってしまう。でも先のことは考えてあるんだよ」

 と、静かに切り出し、ビジョンを語るのだった。

「いま、俺が会いたいのは前澤さん。ZOZOの事業から手を引いて手もち無沙汰だと思う。だから、俺の考えている財団に出資してほしいんだ」

宇宙ステーション

 具体的に、頼みたいことが三つあるという。

「一つめは国家間の紛争解決のソリューションを示す。二つめは飢餓対策、とくに貧しい子どもたちを救いたい。三つめは核問題の解決。この三つのために財団を作りたい。“ソリューション・エンジェル・フォー・ピース”の頭文字をとった“SAP(サップ)”という名前も考えてあります」

 財団設立までの青写真は、

「まずは前澤さんに100億円を出資してもらい、財団の発起人となってもらう。そして、前澤さんのように100億円くらい出資できる人を千人集め、世界のどこかに広大な土地を買って“貧しい人のための国”を作る。その国が国家として承認されれば、前澤さんに名誉大統領になってもらうんです」

 財団で集めた出資金は、

「半分を国家間の紛争解決や飢餓対策に使い、残りの半分で前澤さんが宇宙開発の会社をやってもいい。民間の宇宙ステーションを作り、この宇宙ステーションで使うエネルギーに原子力エネルギーを使うんです。地球に負担をかける原子力発電をやめて、核のゴミを宇宙に持っていく。宇宙空間を移動するためにはシップが必要だけど、このシップも原子力エネルギーで動かす。プルトニウムを利用したスターシップのエンジンですよ」

 世界中の核兵器を廃絶させ、不要になった核燃料を宇宙空間に運んでエネルギーとして使うのだそうだ。

「俺はいつ死んでもいいと思っているけど、この財団には一生をかけたい。前澤さんに外で財団をやってもらえれば、自分は塀の中にいてもSAPの事業を実現させられると思っている」

 前澤氏が掲げるのはひっそりとしたお金配り。宇宙を対象にしたド派手な出資は……。念のため、10人の起業家に10億円ずつ投資する「前澤ファンド」の担当者に意見を求めると、

「答えようもないですね。申し訳ないですけど」

 現時点では、地面師事件主犯格のプランは誇大妄想と映ったか。大丈夫、練り直す時間はたんまりある。

週刊新潮 2020年12月17日号掲載

ワイド特集「戦いのゴングは鳴った」より

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