共産党「収支報告書」に妙なカネの使途 中央の高級接待、地方の「昆布販売手数料」?

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 今年もまた“政治とカネ”が注目される季節がやってきた。11月27日、2019年分の政治資金収支報告書が公表されたのだ。

 例年、自民党や主要野党の議員のものばかりがネタにされるこの報告書。一方、普段から“政治とカネ”の問題を声高に追及する共産党は、一体どんな“収支”を報告しているのだろうか。

 これまで共産党の報告書が話題にならなかったのには、理由があるという。

「一つは、共産党は『しんぶん赤旗』の購読料が収入の大半を占め、企業献金や政党交付金を受けていないため。もう一つは、あの党には、志位和夫委員長が代表になっている『日本共産党中央委員会』の下に、国会議員が代表を務める政党支部が存在しない。端的に言えば“調べ甲斐”がないんですよ」(政治部記者)

 共産党の場合、政党支部の代わりに置かれた地区委員会の代表は、党の専従職員らが務めている。

 それゆえ、元共産党政策委員長の筆坂秀世氏も、

「金集めも政治活動も全て党が主導。僕は8年間参院議員をやっていましたが、選挙にいくらお金がかかるのかも知りません」

“ブーメラン”を気にせずにいられるのは、そんな事情のおかげなのだ。

 とはいえ、年間200億円もの政治資金を集める共産党のこと。中には当然“気になる”おカネも。

「例えば、12月7日に『中央委員会』から出ている飲食費なんて、意外に思うかも知れませんね」(共産党ウォッチャー)

 記載された金額は、45万420円。来日中のベトナム共産党の代表団が、京都府委員会と懇談・会食した際の経費なのだという。

「このお店は、京都にある高級料亭風の中華料理店。日本庭園を眺めながら中華を楽しむ趣向で、党副委員長の市田忠義参院議員も行きつけにしていた」(同)

 こんな自民党顔負けの高級接待費を捻出できるのは中央だけ。対して地方の“清貧”ぶりは涙ぐましいばかりだという。

「ある地区の報告書には“昆布販売手数料”の記載が。専従職員のボーナスなどに充てるため夏や冬に募金活動を行うのですが、手ぶらで回るのは忍びないと、安い海産物を販売する形をとったりするためです」(同)

 妙な支出は他にも。

「目を引くのは、年間1千万円以上購入している『図書券代』。かつて図書券といえば、赤旗購読者を増やした党員に渡されるなど党勢拡大のために用いられていました」(同)

 共産党に、その使途を尋ねると、

「図書券代は『しんぶん赤旗』への投稿、クロスワードパズル当選者への謝礼として活用しています。1万人を超える読者に届けています」

週刊新潮 2020年12月17日号掲載

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