大塚家具は久美子前社長に役員退職金の予定ナシ、酷い経営だけじゃないもう1つの理由

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 12月1日を以て大塚家具社長を退任した大塚久美子氏。10日、大塚家具は三嶋恒夫新社長の下、第2四半期の決算を発表した。早くも業績改善の兆しと報じられたが、同時に久美子前社長に役員退職金を出す予定はないとも……。あれほど業績を落としたのだから当然だが、実は彼女、父・勝久氏にも退職金を払っていなかったそうだ。

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 今年5~10月までの第2四半期決算は、売上高125億7400万円、営業利益13億4800万円の赤字、純利益15億4400万円の赤字となった。

 ご覧のように、半年分の数字が10月に発表した業績予想のほぼ半分だから、予想通りの結果ということだろう。当たり前と言えば当たり前だが、久美子前社長の時代にはそれができなかった。とある大塚関係者は言う。

脱・久美子効果

「久美子前社長は、まず業績予想で黒字化をぶち上げて下方修正、結果的に下方修正よりも下回る大赤字、というのがパターンでした。77億円の赤字となった20年4月期も同様で、当初は2500万円の黒字を謳っていました。しかし、第1四半期から14億円の赤字に陥り、損益を積み上げていきました。誰もが黒字化など無理だろうと思っていた12月になって業績予想を白紙に。2月に66億円の赤字に修正したものの、最終的に77億円の大赤字となったのです。今回は下方修正がないだけでも、脱・久美子が進んだということでは」

 早くも、“来期の黒字化に向け一歩前進”という声も出ている。

「千里の道も一歩から、とは言うものの、まだまだこの先はわかりません。そもそも売上が落ちていることに変わりはないのです。いくら赤字幅が減ったとはいえ、それが黒字化に向けた一歩とは言えません。赤字がなくなってようやくスタートラインに立てたと考えるべきです。大塚家具は今期も売上減少の一因としてコロナ禍を挙げていますが、ニトリさんなど、コロナ禍の巣ごもり需要で業績を伸ばしているのを見ると、家具店にとってはビジネスチャンスだったはずです。しかし、大塚家具は前期と比べ、販売を始めたばかりの家電と学習・事務系の家具の売上は伸ばしたものの、他の商品はことごとく売上を減らしています」

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