「相棒」放送開始20年で最高視聴率はどの回? とっておきの“トリビア9つ”を紹介

エンタメ 芸能 2020年12月16日

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 2000年6月3日に「土曜ワイド劇場」枠で、現在はpre-seasonと呼ばれる単発ドラマとして放送を開始したドラマ「相棒」(テレビ朝日系・毎週水曜21:00~)が今年で記念すべき20周年を迎えている。これだけの長寿番組となると、自然とトリビア的なネタも数多出てくるのが常というもの。そこで今回は、初期からの番組ファンでもど忘れしていそうなネタをご紹介していこうと思う。まず最初は“こんな役トリビア”から。

 一つめは「芹沢刑事役の山中崇史はseason1の第1話にスナイパー役で出演している」というもの。山中演じる芹沢慶二巡査部長といえば、警視庁刑事部捜査第一課7係の刑事で、ファンの間では“イタミン”の愛称で呼ばれている先輩刑事・伊丹憲一(川原和久)巡査部長との迷コンビぶりがお馴染みだ。だが、そんな芹沢刑事はseason1の第1話には登場していない。その代わりに山中は、杉下右京(水谷豊)の初代相棒である亀山薫(寺脇康文)を人質にして警視総監室に立てこもった犯人をヘリから狙撃しようとするスナイパー役で出演していたのだ。

 ではいつから本作に登場したのかと言えば、芹沢刑事の初登場はseason2の第4話からである。つまり、土曜ワイド劇場時代のpre-season第1話から登場していた伊丹刑事とは、実に3年以上もの開きがあるワケだ。

 次は特命係を最も目の敵にしている警視庁副総監・衣笠藤治のネタである。衣笠はseason15の第1話で初登場し、season16の第13話までは大杉漣が演じていた。大杉の急死により、season16の最終回以降は杉本哲太が演じている。

 その杉本は「かつて犯人役で出演したことがある」のをご存じだろうか。実はseason5の第11話・元日スペシャルの“バベルの塔~史上最悪のカウントダウン!”で犯人役として登場しているのだ。元日スペシャルに相応しいスケールの大きなストーリーが展開されるなか、真犯人の五十嵐哲雄役を熱演。最近、相棒ファンになった視聴者にとっては意外な事実かもしれない。

 2番目は“所属トリビア”である。その一つめは「“特命係”はもともと“緊急対策特命係”だった」。これは特命係の成り立ちに関するお話である。あるとき、外務省の高官・北条晴臣(長門裕之)邸が武装グループに占拠される事件が発生した。このろう城事件解決のため、非公式に作られたチームが緊急対策特命係だったのだ。指揮官は当時の警視庁公安部の参事官・小野田公顕(岸部一徳)で、作戦参謀を任されたのが、捜査二課の刑事だった杉下だった。だが杉下は、強行突入をとろうとする小野田に反対したことで作戦参謀を解任される。結果、小野田の独断で強行突入が決行されたのだが、多数の死者を出す惨事となったことで作戦は失敗に終った。杉下はその詰め腹を切らされる形で新たに設置された“特命係”に追いやられるハメになったのだ。そのため、season1からseason2の第1話まで登場する部屋の表札は、かつて右京が激昂した際に叩き割ぅた“緊急対策特命係”の一部が使われていたのであった。

 二つめは「特命係の所属はseason4までは“生活安全部”、season5以降は“組織犯罪対策部”」である。組織犯罪対策本部は、正式には「暇か?」の口グセでお馴染みの角田六郎(山西惇)課長の所属する“組織犯罪対策部組織犯罪対策第5課(通称・組対5課)”で、特命係も便宜上、ここの一部署の扱いとなっている。season4まではやはり角田が課長を務めていた生活安全部薬物対策課に属していたが、season5以降は警視庁の組織変更によって組織犯罪対策部に業務が移管され、角田らの所属も変更された。

 3番目は“花の里トリビア”である。右京の元妻・宮部たまき(益戸育江)が営んでいた小料理屋“花の里”は、後を継いだ月本幸子(鈴木杏樹)が店を閉じた。花の里はすでに「土曜ワイド劇場」で放送されたpre-seasonの第1話から登場しているが、「実は当初の店名は花の里ではなかった」。当初の店名は“新ふくとみ”で、season1以降に“花の里”という店名に変わったのだ。

 当然、外観も現在のものとは大きく違っていた。どうやら、移転にともなって店名を現在の“花の里”に変更したとも考えられるのだ。二つめのトリビアは「花の里という店名の由来は右京の姪の“花”という名前から」というもの。原沙知絵演じる杉下花はseason4の第16話で登場した。ニューヨーク在住のフォトグラファーで、正確には杉下の遠縁の親戚に当たる。杉下の曽祖父と花の高祖父が兄弟に当たる関係なのだが、家系の説明をする際、面倒なので普段、右京は花のことを“姪”と紹介している。

 4番目は“タイトルトリビア”である。「相棒」というタイトルだが、実は「初期の『相棒』は『相棒・警視庁ふたりだけの特命係』というタイトルだった」のだ。単発3本のpre-seasonとseason1まではこのタイトルだった。「相棒」というタイトルに簡略化されたのはseason2からなので、ご興味ある方は再放送でオープニングのタイトルバックを確認していただきたい。

 タイトルに関するもう一つのトリビアは「『相棒』以外に『黄金刑事』という候補もあった」ことだ。「黄金刑事」と書いて“ゴールデンコップス”と読む。ところがスタッフ全員が納得することがなかったので、仮タイトル扱いにされてしまったという。その後、スタッフが中華料理屋で食事をとっている際に偶然思いついた「相棒」というフレーズが正式に採用されたそうだ。このフレーズを誰が発したのかは、いまだに不明なのだとか。

 5番目は“視聴率トリビア”である。「相棒」といえば、高視聴率大ヒット刑事ドラマとして知られているが、season18までの中でのシリーズ最高視聴率作品をご存知だろうか。11年の2月23日に放送された「season9第16話の『監察対象杉下右京』」なのだ。意外なことにスペシャルでも2週連続の前後編でもない、まったくの通常回であった点が興味深い。メインゲストは監察官の栞役を演じた堀内敬子。右京を告発する差出人不明の手紙が届いたことが話の発端で、栞は右京の不正を暴くべく取り調べを行うことになる。右京VS栞の丁々発止のやり取りがこの回の見せ場だった。そんな“監察官室パート”が全体を貫きつつ、進行している“事件パート”がところどころで挿入されるという、斬新な構成のエピソードでもあった。結果、シリーズ歴代最高の23.7%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)という高視聴率をマークした。

 最後は“番外編”である。「実は『相棒』は宝塚で舞台化されたことがある」のだ。09年12月から10年1月にかけて花組で公演されている。宝塚版の完全オリジナルストーリーで、杉下と尊がアメリカから来日したある女性を警護するハメになる。しかしその女性は酒癖が悪く、ヘビースモーカー、さらに超ワガママな人物だった……という内容であった。そしてこのとき右京を演じたのが、season11から登場した3代目相棒・甲斐享(成宮寛貴)の恋人だった笛吹悦子を演じた真飛聖だった。

 また、このときの神戸はのちに雪組に組替えしてトップスターとなる壮一帆が演じている。壮は14年に宝塚を退団して、現在は舞台・ミュージカルを中心に女優として活動中だ。

上杉純也

週刊新潮WEB取材班編集

2020年12月16日掲載