「辛坊治郎氏」独占告白 ヨットで太平洋横断に執念を燃やす理由、テレビ業界引退宣言

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「鬼滅の刃」の衝撃

 辛坊氏はテレビ業界の黄金期も体験している。今の業界を取り巻く環境が非常に厳しいことは骨身に染みている。

「テレビがなくなることはありません。とはいえ、大きな転換点は目前に迫っています」

 その象徴が、「鬼滅の刃」の大ヒットだ。辛坊氏は「テレビ局が制作にタッチしていない」ことに大きな衝撃を受けたという。

「コミック誌に連載された人気漫画をテレビ局がアニメ化、地上波の放送がヒットし、映画化されるという鉄板のビジネスモデルが揺らいだわけです。『鬼滅の刃』の制作にテレビ局は全く関わっていませんし、NetflixやAmazonプライムの放送で人気が上昇しました」

 辛坊氏の番組も歴代最高の視聴率を叩き出したが、CMの営業は厳しさを増している。数字と収益が合致しない。このままだとテレビ業界は先細りするばかりだと見る。

 後輩は大変だろうと心配しながらも、自分自身はやれることを全てやった。もうテレビ業界に未練はない──こんな想いを胸に、辛坊氏は太平洋横断に挑戦するという。

辛坊、失踪!?

 だが、太平洋横断に成功すれば、「もっとヨットで世界中を回りたい」という気にならないのだろうか。

「可能性は否定しません。現実的な話として、使用したヨットをどうするかという問題があります。現地で売却することもできますが、売れた場合は複雑な税金の計算をしなくてはなりません。日本に回航してくれる業者も存在しますが、費用がかなりかかります。結局のところ、私が帆走して日本に帰国するのが、一番現実的なのです」

 サンディエゴから南下すれば、貿易風を背に南太平洋を帆走して日本を目指すことが可能になる。

 ヨットマンにとっては比較的、楽なコースとされ、ニューカレドニアやタヒチ島など観光名所も多い。

「アメリカの係留費用は日本に比べると安価なので、現地のヨットハーバーに停泊して帰国。ニッポン放送の『辛坊治郎ズーム そこまで言うか!』で長期の休みが取れたら、再び渡米してヨットで日本に戻るということも考えられます。とはいえ、太平洋の横断に成功したらサンディエゴで休息し、そのままヨットに乗って帰ってくるのが一番楽です。今のところそれができそうにないのは、ニッポン放送の番組のせいです(笑)」

 最後に辛坊氏は、「サンディエゴに到着したら“失踪”して、こっそりヨットで帰ってこようかな」と笑った。

週刊新潮WEB取材班

2020年12月13日掲載

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