地価上昇率首位「ニセコ」がゴーストタウンに 渡航制限、GoTo除外で

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 例年ならば、12月は外国人で溢れ返る季節なのだという。京都のことではない。北海道の「ニセコ」だ。

 いわゆるニセコリゾートは五つのスキー場からなり、倶知安町とニセコ町にまたがっている。中心地の倶知安町ニセコひらふ地区は、10年連続で地価上昇率トップを記録した場所だ。

 メインストリートの「ニセコ高原比羅夫線通り」には、英語の看板が立ち並び、コンドミニアムやホテルは1泊10万円以上が当たり前。コテージを買えば1棟5億円である。主に滞在するのは、オーストラリアや香港、東南アジアの金持ちだ。

 ところが、コロナによる渡航制限で、今年はゴーストタウンのようである。

 1泊13万円のコンドミニアム(2ベッドルーム)に電話してみる。日本の旅行サイトには載っていない。外国人しか泊まらないからだ。

「こちらにお泊まりのお客様は、ほとんど4月までに予約を入れ、スキー場がオープンになる12月は満室になります。2~3週間滞在するので部屋が空かないのです。でも、今年はまだ、お好きな日に泊まれますよ」(予約担当者)

 外国人客がいないのだから当然だろう。しかし、日本人客も増えていない。

 倶知安町観光課によると、

「早いスキー場では12月5日からオープン予定ですが、札幌発の『GoToトラベル』が除外になってしまったので、札幌からやってくる日本人客の予約もあまり入っていません」(担当者)

 最近はスキー客が増えすぎて雪質が落ちたとも言われている「ニセコ」だが、今ならパウダースノーを独り占めである。

週刊新潮 2020年12月10日号掲載

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