「眞子さま問題」で思い出す、昭和天皇に対する「婚約反対キャンペーン」
11月13日、結婚が延期されている眞子さまの「お気持ち」を、宮内庁は文書で公表したが、この「決意文書」を識者はどのように読んだのか。放送大学教授で日本政治思想史が専門の原武史氏の見解とは――。
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今回の「お気持ち」文書には「結婚に否定的な方がいらっしゃるのも承知している」といったくだりがあります。私が文面を読んで反射的に思ったのは、1920年から翌年にかけて起こった「宮中某重大事件」です。ご存知のように、昭和天皇が皇太子時代、久邇宮良子(くにのみやながこ)女王(のちの香淳皇后)との婚約がいったん決まったのに、良子女王の母方の家系に色覚異常の遺伝子があるということが明るみに出て、婚約に反対する大キャンペーンが展開されました。...