韓国での「日本産農作物」無断栽培・パクリの実態 ロイヤリティ支払わず、「自国産」と偽装してきたツケ

国際 韓国・北朝鮮 2020年11月23日掲載

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農作物の不買が始まったが

 今年3月、米国で韓国産エノキタケを食べた4人が死亡、少なくとも30~32人が食中毒で入院するという事件が発生した。

 そのあと韓国は、白色エノキタケを日本製品不買運動に追加した。

 SBSが11月5日に放送した番組で、韓国で栽培されているエノキタケは75%が日本品種で「日本に毎年10億ウォン(約9400万円)以上のロイヤルティが支払われている」と紹介している。

 韓国品種は茶色エノキだが、消費者は「腐っている」と勘違いして、日本品種を選ぶという。

 番組後、ネット上に「白色エノキタケ不買運動」を呼び掛ける掲示板が登場し、「白色は食べない」「スーパーで売ってくれれば茶色を選ぶ」など、賛同の声が上がり、大手スーパー「イーマート」は茶色エノキのテスト販売を開始した。

 一方、韓国農村振興庁は、エノキタケは大量生産作物で、国内生産量の60%を占める農家が日本品種に合わせた生産設備を有しており、農家が費用をかけて他の品種に変えることは難しいと話している。

 今年8月、韓国政府は日本品種米を縮小すると発表した。

 韓国の米売り場には、「コシヒカリ」「秋晴れ」「ひとめぼれ」が並んでいる。

「イーマート」の米の販売員は「コシヒカリ」と「ひとめぼれ」を積極的に販売する。韓国品種よりおいしいからだ。

 日本品種は2019年末時点で韓国稲栽培面積の約9%(6万5974ヘクタール)を占め、主に首都圏と中部地域の米どころで栽培されている。

 韓国国立食糧科学院は、「三光(サムグァン)」「嶺湖(ヨンホ)真米」などを外来品種に代わる普及品種に選定し、2019年末時点で、稲栽培面積全体の24・8%まで拡大した。

 韓国農村振興庁は、高品質稲の品種開発と生産・流通供給拠点団地を造成すると発表、日本品種の栽培面積を2024年までに1万ヘクタール以内に縮小する方針を掲げた。

「シャインマスカット」なども流出

 日本の農林水産省は、サツマイモやイチゴのほか、みかんの「せとか」やブドウの「シャインマスカット」、また、もも、すももなどが韓国に流出した可能性があると見る。

 海外で栽培差し止めやロイヤリティの支払いを求める権利を行使するには、現地での品種登録が必要だが、「べにはるか」は国際条約(UPOV)に基づく登録出願期限を過ぎており、また、イチゴも日本側が「梅香」の研究資料を要求して、遺伝子検査を行ったが、権利を行使できる品種ではないことがわかった。

 一方、韓国のイチゴ農業試験場長は、いずれ「雪香」を凌駕する品種が出てくると考え、品種研究の助力を得ようと日本に出張したが、「温室の外側だけ見て行け」と栽培温室を閉じられて、門前払いに遭ったという。

 今月17日、新しい品種として登録された果物などの種や苗木を海外に無断で持ち出すことを規制する種苗法改正案が衆議院農林水産委員会で可決した。19日には衆議院本会議で可決され、参議院に送られている。

 日本製素材が含まれる製品は売らない・買わないと宣言する一方、日本品種を増殖させ、日本品種の交配を行った農作物は国産を装ってきた。

 農作物は新しい品種が出るまで長い年月がかかる。日本のイチゴから「梅香」を生み出すまで6~7年をかかっており、日本品種が手に入らなければ、さらに時間がかかるだろう。菓子や工業製品のようにはいかないのだ。

 韓国農業が今後、無断で日本に依存する途は閉ざされる。

佐々木和義
広告プランナー兼ライター。商業写真・映像制作会社を経て広告会社に転職し、プランナー兼コピーライターとなる。韓国に進出する食品会社の立上げを請け負い、2009年に渡韓。日本企業のアイデンティティや日本文化を正しく伝える必要性を感じ、2012年、日系専門広告制作会社を設立し、現在に至る。日系企業の韓国ビジネスをサポートする傍ら日本人の視点でソウル市に改善提案を行っている。韓国ソウル市在住。

週刊新潮WEB取材班編集

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