「岩下の新生姜」の社長がライバル会社社長と“タイマン”対決 原因はパッケージ問題

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スーパーで「らっきょう」を手に取り、“カチンときた”

 同社の「岩下の新生姜ミュージアム」で、岩下社長に話を聞いた。

「あまりこの話を大げさに取り上げられるのは本意ではありませんが、事実です。録画も撮っています。ただ、これは最近の話ではなく、2018年2月頃の話です」

 発端は、あるスーパーの店頭で、岩下社長が手に取った「らっきょう」だったという。

「私は自社商品だと思って手に取ったんですが、それは山本食品さんの商品だった。実は、『新生姜』だけでなく、これまでさまざまな商品で山本食品さんに模倣され続けてきた歴史があります。それで、私はカチンときて、一連のこれまで模倣された商品を挙げて、怒りのツイートをしたのです」(同)

 山本食品に向けた激しいツイートは、2年以上前にもあったというのだ。

「ツイートした直後に、ある大手スーパーの本部近くにある駐車場で、ばったり当時専務だった今の社長さんと出くわした。すると、向こうのほうから突っかかってきた。訂正した通り、暴力沙汰になったわけではありません。向こうは『得意先のスーパーに言われてデザインを作ったんだ』と言うから、私も『そんなの断れ』って言い返しました。ただ、あれはただの言い争いであって、社長さんを個人攻撃したいとも思っているわけではありません」(同)

20年以上に及ぶ“因縁”の対決

 ケンカの原因となった“類似商品”に対し、腹を据えかねているというのだ。

「山本さんとの因縁は20年以上前に遡ります。その頃から、山本食品さんはウチに明らかに寄せてパッケージを作っていました。20年くらい前には、私たちと同じように、当時ウチの役員だった人間と先方の現会長が、公の会合でネクタイを掴み合うような揉み合いになったこともあった。ただその頃は、私どもも大人気ない喧嘩をしてもしょうがないと、それ以上の騒ぎにはしなかった」(同)

 だが、その後も山本食品側は繰り返し模倣を続けてきたと、岩下社長は訴えるのだ。

「ウチがパッケージ変えると、すぐに寄せるの繰り返しです。『新生姜』だけではない。『らっきょう』『紅生姜』など他の商品でも。そして向こうは、どんどん売上を拡大し、会社を大きくしてきたのです。ウチをCMで覚えてくれているお客様が多いと思いますが、ウチが多額の広告宣伝費をかけて築き上げてきた大事なブランドにタダ乗りされているようなもの。岩下のファンからも、『間違って買ってしまった』『なんとかして欲しい』という要望、苦情が、これまでメールなどで多数寄せられています。特に高齢の方ほど、見間違えて買ってしまうのです」

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