「岩下の新生姜」の社長がライバル会社社長と“タイマン”対決 原因はパッケージ問題

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山本食品が反論「こんなことで争いたくないのですが、指一本触れていませんよ」

 岩下社長は、同社のホームページ上でも山本食品への攻撃を強めている。昨年11月から計5回、山本食品に「警告書」を送付してきた経緯を説明するととともに、「類似商品にご注意ください」という注意喚起の特設ページまで設け、徹底抗戦の構えだ。

 では、山本食品側は岩下側の主張にどう反論するか。埼玉県行田市の本社を訪ねると、会長の山本正幸氏・社長の正憲氏が取材に応じた。

「ウチとしてはこの件で本当は争いたくないんです。言いがかりをつけられているというのが本音でして……」

 会長の正幸氏はこう断りつつも、見解を述べた。

「『新生姜』は、1987年に岩下さんが先に始められたのは事実ですが、私どもも1年後の88年に始めています。スタートはほぼ一緒なんですよ。始めた当時は、ほかにも数社が『新生姜』を作っていました。『新生姜』というのは通称であり、岩下さんが差別化するために『岩下の新生姜』とCMで打ち出したわけです。うちはパッケージに『新生姜』としか書いていないので、岩下さんのファンなら間違えて買うなんて考えにくいのです」

 パッケージの形状・デザインが似通っている点については、代わって社長の正憲氏が説明した。

「わざと寄せてなんかいません。スーパーに行ってぜひ見てほしいんですが、漬物のパッケージなんて似通って当たり前です。岩下さんは、ピンクの漬物液が同じだとかまで指摘してくるんですが、スーパーのプライベートブランドでも新生姜はどれもピンクです。パッケージの扇型の形状にまで文句をつけられているんですが、浅漬けなど漬物業界は同じ機械と使ってパッキングするので、こうなるのは仕方ないのです」

 さらにこう強調する。

「別に最初から岩下さんがこういう形態を始めて、うちが寄せたわけでもないのです。似かよる原因として、スーパー側の要望もあります。スーパーがデザインを作って、こう作ってくださいというケースも多々あります。岩下さんは、スーパーを批判するようなことばかり言うもんですから、正直、業界では評判はよくありません。あまり岩下さんと同じ土俵に乗りたくはないんですが、この惣菜のパッケージを見てください。これはうちが最初に始めたんですが、後から岩下さんが同じような惣菜を作り出しました。でも、別に私どもは、だからと言ってこれで“真似した”と争うつもりはありません」(同)

 駐車場での対決場面についても、

「殴りかかってきたなんて、事実と全然違いますよ……。その時も、ツイッターで激しく攻撃されていたので、一言いいたいと思って、岩下さんが乗る車の窓をノックしただけです。指一本触れていませんから。むしろ、その後、出てきた岩下さんのほうから、すごい剣幕で怒鳴り散らされたというのが真相です。でも、こんな反論までして、争いに巻き込まれたくないんです。お互い社業に専念して、品質や価格など商売で切磋琢磨していきたく思っているんですが……」(同)

 ショウガないでは済まされない因縁の対決。果たして軍配はどちらへ。

週刊新潮WEB取材班

2020年11月20日掲載

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