上野動物園「シャンシャン」が12月に返還 中国のどこでどんな暮らしをするのか?

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タンタンは直行便

 ずっと、基地で過ごすことになるのか。

「基地にずっといる場合もあります。ただ、近年は、オーストリア、アメリカ、マレーシアで生まれて中国に返還されたパンダが、基地から南京近郊の施設へ移動した例もあります。いずれにしても、大事に飼育されることは間違いありません」(同)

 現在、日本には10頭のパンダがいる。上野動物園以外では、神戸市の王子動物園で1頭、和歌山県のアドベンチャーワールドで6頭飼育されている。

「王子動物園のタンタンは、2000年7月に来日したメスで、現在25歳。5年ずつ2回返還を延長し、今年7月に返還予定でした。ところが新型コロナの影響で成都への直行便が現在運航していません。25歳は人間でいえば約75歳。上海経由では負担が大きいので、王子動物園は、直行便が再開してからタンタンを中国へ送りたい考えです」(同)

 和歌山はどうか。

「28歳のオスの永明は、梅梅との間に6頭、良浜との間に9頭の子どもが生まれ育っています。この数には、生後間もなく死んだパンダと死産のパンダを含んでいないので、産まれたパンダはもっと多いです。15頭のうち、5組10頭が双子です。パンダは約5割の確率で双子を産みます」(同)

 15頭の子どものうち、11頭がすでに中国に返還されたという。その後繁殖し、約40頭が世界各国で飼育されているという。

「今年6月には、永明と良浜の交尾が5回確認されていますから、また生まれる可能性もでてきました。28歳は人間では80代。すごいですね(笑)」(同)

 永明は、2018年に彩浜を産ませ、飼育下での自然交配で繁殖させた世界最高齢のオスと認定された。その記録を塗り替えそうだ。

週刊新潮WEB取材班

2020年11月14日掲載

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