中井貴一、鈴木京香、斎藤工…ことごとく共演ダメな人たちを集めた「共演NG」

エンタメ 芸能 2020年11月9日掲載

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テレビ局とふたりの所属事務所の謀によって共演することに

 昔は恋人同士だったが、破局。25年間共演NGだった俳優の2人が再びドラマで出会う。脇を固める役者陣も、ことごとく共演NGな人々ばかりを集めた、厄介極まりない現場となっている……という物語がドラマ「共演NG」である。

 今の世の中、周囲に気配りできる人は賞賛される。でも、時々ふっと思うことがある。

「あれ? 今この人うまいこと言ったけれど、保身のためじゃない?」

 考えや真意を聞いているのに、おくびにも出さないどころか、周囲への気遣いの言葉に勝手に変換する。

 回答どころか会話にもなっていないのに、ふわっと善人ヅラするのがうまい。結果、聞いた方がゲスい・幼い・至らない、と印象付けられてしまう。心がザラつく瞬間…。

 そんな口の中が苦くなる感覚を思い出したのが、テレ東肝煎りドラマ「共演NG」である。

 肝煎りというか、一か八かの賭けに出た感。確か、月曜22時はビジネス系のドラマを放送する「ドラマBiz」なる枠だったのに。

 こっそり幕を閉じ、しれっとなかったことにして、鳴り物入りで新規枠を喧伝する面の皮が厚いテレ東。そういうところ、好き。

 俳優・遠山英二(中井貴一)と女優・大園瞳(鈴木京香)をW主演に迎えて、新ドラマ(しかも不倫モノ)を制作する「テレビ東洋」が舞台。

 実はこのふたり、昔は恋人同士だったが、中井の二股が発覚して破局。京香は世の同情を一身に集める破局会見を行い、中井はしばらく干された過去がある。

 つまり、このふたりは25年間共演NG、という設定だ。

 陰ではお互いを「うんこ野郎」「クソ女」と罵り合う犬猿の仲のふたりが、テレビ東洋とふたりの所属事務所の謀によって共演するハメに。

 実は、主演のふたりだけではない。脇を固める役者陣も、ことごとく共演NGな人々ばかりを集めた、厄介極まりない現場となっている…という物語なのだ。

ブラックコメディであり、ちゃんと大人の恋愛ドラマでもある

 心のザラつきを思い出したのは、京香のセリフだった。

 第一話、波乱の幕開けであるドラマの制作発表の場で、過去をほじくり返すスポーツ紙記者の質問に対して、常に視聴者やスタッフへの気遣いの言葉に変えて乗り切った京香。

 ところが会見終了直後、これ見よがしに優しく声をかけてきた中井に向かって「人を気遣うフリをして、自分に火の粉がかからないようにするのね」と罵り、舞台裏では大喧嘩に。

 中井も京香も、保身と印象操作が上手なズルい大人で、相手の心をザラつかせてきたことがよくわかる。

 案外似た者同士なのだ。発想や思考回路も相通ずるものがあり、実は最高の相性ではないかと視聴者に思わせる構図に。一見、犬猿の仲に見えるふたりの心理戦が思った以上に深い。

 恋愛ドラマによくある大喧嘩とは意味合いが違う。年輪とともに培ってきた狡猾さが滲み出ている。

 もちろん、これはコメディだ。二枚目気取りで三の線に貶められている中井と、しっとりと強欲を兼備した京香が、性善説に基づかずに確実に笑わせてくれるので、業界の裏話を暴露するブラックコメディではある。

 でもその一方で、ちゃんと大人の恋愛ドラマとして成立している。

 また、登場する役者陣の設定が実に細かくて、「いかにも」と思わせる。

 中井は「若いときスターになったが、今はスペシャルドラマでたまに見る人」、京香は「シリーズで女検事役をずっとやってる人(シーズン12では総理大臣まで起訴しちゃった)」という。

 なんとなく実在の俳優を思い浮かべちゃう…。

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