「巨人優勝」で思い出す18年前の出来事 「目の前の勝負には敗れる。しかし優勝は手にした」

スポーツ 野球 2020年11月1日掲載

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2002年9月24日甲子園球場に於ける対阪神戦で

 今回のような、なんとも間合いが不思議な優勝決定で思い出しますのが、原監督が初めて巨人軍を率いた時の優勝決定シーンであります。

 2002年9月24日甲子園球場に於ける対阪神戦。

 マジック対象チームであるヤクルトは、巨人の勝敗が決まる前にナゴヤドームで中日に敗れました。巨人は試合前に優勝が確定していたわけですが、巨人はサヨナラ暴投負けを喫しました。

「目の前の勝負には敗れる。しかし優勝は手にした」

 この複雑な状況に巨人選手や首脳陣は目の前の勝負を制し歓喜する阪神ファンの「六甲おろし」大合唱終了後に一旦ベンチ裏に戻った後、再びグラウンドに向かい原監督の胴上げを行いました。

 あの時の巨人ファンとしての複雑な心境、そして普段は敵対し時には罵り合っている阪神ファンの皆さまの温かき激励、「プロ野球ファンであって良かった」と思った瞬間でした。

「優勝は勝って決めて欲しい」「劇的な優勝が見たい」ファンがそう願うのは当たり前でありますし、私も同意見であります。

 しかし選手をはじめ球団関係者は「かたちはどうあれ早く決めたい」「早くマジックの呪縛から逃れたい」と思っている可能性は高いと思います。

 なので、どんな優勝の仕方でも長いペナントレース(今年は変則日程で巨人のみならず全ての球団が苦慮したと思いますが)を制したことに敬意を払いましょう。それこそがプロ野球ファンであると思います。

 来るべき日本シリーズ、相手はソフトバンクなのかロッテなのかはたまた楽天なのかワクワクと不安が止まりませんが、がっぷり四つで闘い挑み日本一を達成して欲しいです。これは巨人ファンとしての切なる願いでございます。

「オレンジ手袋の少数精鋭胴上げがまた見たい!」

 因みに阪神にサヨナラ負け優勝の2002年は日本シリーズで西武を4勝0敗で下し日本一になりました。今回の優勝は引き分け。さて、どうなりますか。

徳光正行(とくみつ・まさゆき)
1971年12月生まれ。茅ヶ崎市出身。日本大学芸術学部在学中よりミュージシャンを目指すが、父の病により断念。その後、司会業やタレント業に従事する。また執筆活動にも着手し『伝説になった男~三沢光晴という人~』『怪談手帖シリーズ』などを上梓。4月27日には岩井志麻子氏との共著『凶鳴怪談』を出版。現在YouTube「徳光ちゃんねる」でも活躍中。

週刊新潮WEB取材班編集

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