日本語を採用する「韓国」政府と自治体 日本の植民地時代の清算を叫びつつ

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「民主」は明治時代の和製漢語、「大統領」もプレジデントの訳語

 2019年12月、慶尚南道議会は「勤労(クムノ)」を「労働(ノドン)」に変える条例案を可決した。

 先にソウル市が、共に民主党が与党となった2017年から「勤労」は「勤労挺身隊」など日本統治に由来するとして「労働(ノドン)」を使いはじめ、19年3月には53の条例を改正する条例一括改正案を公布して「勤労」を「労働」に書き換えた。

 また、首長が与党・共に民主党に属する京畿道、全羅北道、釜山、光州なども同調したが、そもそも「働」は日本製の漢字である。

「勤労」は朝鮮王朝の記録にも見られる表現らしく、与党には朝鮮王朝時代の史書を原文で読むことができる議員がいなかったのだろう。

 日帝残滓の排除を進める与党・共に民主党と文在寅大統領だが、「民主」は明治時代の和製漢語で、「大統領」も江戸時代にプレジデントの訳語として考案され、明治になって定着した。中国語は「総統」または「大総統」である。

 与党は党名を、文在寅は肩書きを変えなければならないが、「大統領」は憲法に定められており、憲法を改正するならば、多くの法律を変えなければいけないことになる。

 なお、韓国語の「憲法」と「法律」も日本が統治時代に持ち込んだ。

 歴史を否定する政府と国民は未来どころか、現在も見えないようだ。

佐々木和義
広告プランナー兼ライター。商業写真・映像制作会社を経て広告会社に転職し、プランナー兼コピーライターとなる。韓国に進出する食品会社の立上げを請け負い、2009年に渡韓。日本企業のアイデンティティや日本文化を正しく伝える必要性を感じ、2012年、日系専門広告制作会社を設立し、現在に至る。日系企業の韓国ビジネスをサポートする傍ら日本人の視点でソウル市に改善提案を行っている。韓国ソウル市在住。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年10月21日掲載

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