山口組「ハロウィーン」菓子配りはNGに 元山口組系幹部による「私はこう思う」

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ヤクザを離脱してもついて回る「5年ルール」のハードルの高さ

「5年ルールというものがありますね。暴力団を離脱しても、そのあと5年は反社会的勢力とみなされ、銀行口座を作ることができないというやつです」

「高額商品の売買契約の際に、反社の所属じゃないことを確認しましょうというのもすでに慣例になっていますね。だからヤクザから足を洗ったばかりやとクルマも買えません」

 自分ではヤクザを辞めたつもりでいても、正式な破門状がなければ、警察当局の方では「まだ暴力団に在籍している」とみなされるケースがままあるという。

「一時、暴排から身をかわすために相次いだ『偽装破門』を当局が警戒しているんでしょうが、5年が経つのを指折り数えている中、時計の針がまた戻るというんは、なんぼ身から出た錆とはいえ、酷なところもあるわね」

「せっかく離脱しても居場所がなかったり風当たりが強いまんまやったら、また戻るかもっと潜るかになってしまう。5年ルールの緩和は検討してもらえたらというのがかねての持論なんです」

 そして、ヤクザ社会は若者から敬遠され、高齢化の一途を辿っている。

「高齢化の問題も大きくて、例えば70歳のヤクザが足洗ってカタギになっても5年でもう後期高齢者。“まともな人間になるまでそんなに時間かかるんは耐えられへんから、それやったらヤクザやっとくか”みたいなこともあるんです、実態としてはね」

「ハロウィーンと5年ルールがどう関係あるねん? というツッコミはあるかもしれへんけど、私のやっている暴力団からの更生においては根っこの部分で繋がってると思っています」

「ハロウィーンで暴力団が子供のヒーローになっているという指摘があるのもよくわかります。そこで接点ができることで、長じて暴力団入りする可能性があると言われたら否定はできません」

「ただ、そのあたりは親なり、それこそ地元の者が子供にひとこと説明してあげたらいいのではと思ったりもするんですよね」

週刊新潮WEB取材班

2020年10月9日掲載

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