危険運転致死罪で捜査の熊谷・小4死亡ひき逃げ 10万台の車調査の母「必ず犯人探し出す」

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ひき逃げは「交通犯罪」

 一方で、交通事故で人が死亡した場合、道路交通法の救護義務違反(ひき逃げ)の時効は7年、自動車運転死傷行為処罰法の過失運転致死罪の時効は10年にすぎない。

 殺人と同様に人の命を奪う「交通犯罪」になぜ時効が残っていることに異議を唱え、社会に問題提起する代里子さんの気持ちはよく理解できる。

 代里子さんは最愛の夫を病気で亡くした後、母親想いの優しいサッカー少年だった孝徳君と二人暮らしの中で、突如、その幼い命を奪われた。

 その悲しみ、犯人への憤りは計り知れないものだ。

 幼くして将来を奪われた最愛の息子のために、懸命に活動を続ける優しい母親は、犯人への思いをブログなどに掲載した手紙でこうつづる。

「事故が起きた時 孝徳は生きていましたか 痛がっていませんでしたか 泣いていませんでしたか 助けを求めていませんでしたか!! 事故の日、孝徳の状況を教えてください。お願いします」

「必ず探し出します。諦めません。真実を聞くまでは、犯人と私には終わりはない」

 代里子さんの思いが犯人に届き、犯人が自首する時、事件が解決する時が訪れるのを心から祈るばかりだ。

※代里子さんは事件から10年以上が経過した今、犯人が全国のどこにいるか不明のため、「突然、明確な事情もないまま引っ越した人を知っている方」「運転した車を突然、廃車した人を知っている方」「何年も放置されている車両を知っている方」「車を処分せずにどこかに埋めている可能性もあるため、突然、庭などに不自然に大きな穴を作った人を知っている方」などについて広く情報提供を呼びかけている。情報は、代里子さんのブログの専用ページを通じてか、埼玉県警熊谷警察署(048-526-0110)まで。代里子さんは、SNSでも情報発信を続けている。

週刊新潮WEB取材班

2020年10月2日掲載

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