藤井聡太二冠の封じ手は最高1500万円で落札 鑑定士に“高いか安いか”訊いてみた

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合計2250万円也

 スポーツ報知は7月15日、「将棋 第61期王位戦7番勝負第2局 藤井七段マジック『大逆転連勝』」との記事を掲載した(註:全角数字を半角数字にするなど、デイリー新潮の表記法に合わせた。以下同)。

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 注目したいのは、記事の後段だ。「封じ手買えます」という中見出しが付いている。引用させていただく。

《1日目に藤井が初めて封じ手を記入した用紙(封筒含む)がチャリティーで一般希望者に販売されることになった。収益は九州豪雨被災地の支援などに充てられる》

《木村が主催側に提案し、藤井が同意した。二度と手に入らない「初物グッズ」になるだけに注目は必至》

 そして藤井聡太二冠(18)と、木村一基九段(47)の署名が入った封じ手用紙がネットオークションに出品されると、民放キー局のワイドショーでも大きく取り上げられた。

 藤井人気が改めて証明された格好となり、価格は文字通りのうなぎ登りとなった。

 読売新聞が9月15日の朝刊に「藤井二冠 封じ手1000万円超え」の記事を掲載すると、翌16日に日刊スポーツが「藤井2冠の封じ手3000万越え」と伝えたという具合だ。

 こうなると世間の関心も高まっていく。将棋に関心のない人々でも、「封じ手って何だ」と興味を持つ。

封じ手って何?

 棋士の青野照市九段(67)は、夕刊フジに「勝負師たちの系譜」を連載している。

 9月19日の紙面には、「封じ手オークション 藤井新王位誕生でマスコミも注目、落札価格どうなる?」が掲載された。

 このコラムは封じ手の世界を分かりやすく解説しており、非常に面白い。一部をご紹介しよう。まず封じ手の解説だ。

《封じ手とは2日制のタイトル戦(竜王・名人・王位・王将の4棋戦)で、1日目の終了時間に手番の棋士が、次の一手を盤上に指さず、指し手を紙に書いて封筒に入れるという儀式である》

 なぜ、こんなことをするのか。

《これがないと、1日目に手番で終わった棋士が一晩中考えることができ、不公平となる》

 もし藤井二冠が駒を動かして1日目が終わると、木村九段は翌日の対局再開まで、一晩中の“長考”が可能だ。これだと何のための持ち時間制なのか分からない。

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