「アンサング…」「K2」 マトリョーシカみたいに出演続く「田中圭」

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ファッションセンターしまむらへ買い物に行ったときにも“遭遇”

 差し当たって、その姿を見ないクールはないのが、俳優・田中圭(36)。「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」(フジ)は最終回を迎えるが、「キワドい2人-K2-池袋署刑事課神崎・黒木」(TBS)に出演中で、10月末には「先生を消す方程式。」(テレ朝)が待機中だ。

 この10年、姿を見ないクールはないというか、地上波ドラマで必ずどこかにいた。いつでもどこでもOK、遺影出演もOK、田中圭である。

 民放最強のベタドラマ「警視庁・捜査一課長」でもレギュラーだったし。幅の広さは随一。

 以前、ファッションセンターしまむらへ買い物に行ったときにも、田中圭に遭遇した。

 ナントカロンドンの紳士ポロシャツのタグに、ハトが豆鉄砲食らったような顔かつ微妙なスタイリングで写っていたのが田中圭だった。

 このときはすでに「おっさんずラブ」で人気を博していた頃だったので、正直驚いた。

「こんな超人気俳優なのに、こういうモデル仕事もまだやるのか!」

 まさか、しまむらで会えるとは思ってもいなかったよ。

 そして今や引っ張りだこで、主演作も目白押し。いや大変だなと思ってたら、コロナ禍で1本とんで、来年に延期。安田顕と共演の「らせんの迷宮~DNA科学捜査~」(テレ東)である。

 天才遺伝子科学者と熱血刑事の話と聞いて、田中はてっきり熱血バカ…じゃなくてデカの方だと思っていたら、天才のほうだというので楽しみにしていたのだが。でもこれで田中も少しは休めるかと思ったら大間違い。

マトリョーシカみたいに登場する

 現在、木曜日は「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」(フジ)、金曜日は「キワドい2人-K2-池袋署刑事課神崎・黒木」(TBS)、10月末には「先生を消す方程式。」(テレ朝)だそうで。あ、忘れちゃいけない。

「浦安鉄筋家族」(テレ東)の第8話でもうっかり遺影出演していたのだった。次から次へと田中圭。マトリョーシカみたいな感じ。

 今週最終回を迎える「アンサング~」では、ツンケンしとるが腕は確かな病院薬剤師の役だ。

 救急認定薬剤師の資格ももち、主人公の石原さとみの良き先輩だが、肺にも副腎にも腫瘍がある重複がんが発覚。

 前回、石原の尽力もあって、海外で有効性がある薬の治験を受けることになったが、その2年後、病院には石原も田中もいない……というところで終わった。

 このドラマ、フジテレビの最後の良心と意欲が感じられる作品ではある。

 医療モノに飽きた視聴者のために「医療モノだが医者じゃないシリーズ」を提案。

 昨年の放射線技師が主役の「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」に続き、病院薬剤師を主役に仕立てた。そして薬局系のスポンサーもきっちりゲット。

 が、いかんせん中身は真面目過ぎる点と薬剤師主体のご都合主義がいまいち視聴者に届かず、数字はとれていない。話題になったのは石原さとみのまっすぐすぎるうなじだけ。

 仲間のひとりである田中が病に倒れるというのも、定番といえば定番。田中の持ち味が発揮できた作品とは言い難い。

 個人的に評価したいのは、病院薬剤師の世界をうっすら知ることができた点。患者から感謝されない大病院薬剤師の憂いと多忙さ、医師に物申す疑義照会とかね。

 そして、エンディングの「患者のその後」映像もよかった。その先の未来を見せる映像もあれば、過去を振り返る映像もあり、あの演出は「余韻」をきっちり残すことに成功したと思っている。患者ひとりひとりの人生を映し出す誠意も伝わった。

次ページ:ドラマのTBSという看板を復活させた今も…

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