「年利876%」、目の前に積み上げた「現ナマ」の力 350億円を巻き上げたカラクリ

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8年の懲役に服する身となったが…

 こうして出資した会員の多くは、年金で暮らすお年寄りや障害者など。彼らに将来への不安を煽り、一方で高金利と現ナマを目の前にチラつかせて巨額の金を集めたのがKKCの実態だったが、むろん、こうしたモデルが成立しないことは火を見るより明らか。すぐに行き詰まり、97年には、詐欺容疑で山本氏自らが逮捕され、8年の懲役に服する身となったのだ。

 さらに、

「山本は2007年に娑婆に戻ってきたのですが……」と言うのは、彼の知人。

「すると、すぐに新しい会社を作り、事務所を置いて、また怪しげな投資話で人を集めている。ウイスキーだったり、ローヤルゼリーだったり、いろいろなバージーョンはありますが、やっていることは以前とほとんど一緒。事務所に札束がドンと積まれているのも同じです。変わったのは、長年連れ添った妻ととうとう別れてしまったことくらい」

 この知人によれば、出所後も、配当がもらえなくなったお年寄りが山本氏に対し、「金を返せ!」と迫ったことがあった。しかし、山本氏はちっとも悪びれず、「俺は捕まってもまた刑務所に入れば済む。その代わり、金は一切返ってこないぞ!」と言って、煙に巻いてしまったのだという。

「今は中国人がもっぱらのターゲット。彼らからがんがんお金を吸い上げているので、ずいぶん羽振りの良い様子でした」(同)

 当の山本氏に聞くと「あぁ確かに中国人はいっばい来てるよ。でも、あいつらには“オレは詐欺師だ”と正直に言ってあるからな。ハハハッ」

 豊田商事にオレンジ共済、美人詐欺師が朝鮮総連大幹部をダマし……。ジャパンライフの摘発を機にざっと振り返っただけでも、多くの詐欺事件が世間の耳目を集めてきたことがわかる――。

2020年9月24日掲載

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