神戸山口組「井上組長」が下した「山健・中田組長」への処分にみた「愛」

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井上組長の強い決意の理由とは何なのか?

「神戸の乱」は平定されたとはいえ、

「井上組長は6代目側に『逆縁』の詫びを入れるつもりもなく、解散もせず、カタギになることもないという強い決意をしているようです」

「ヤクザのしきたりからしたら、6代目側もヒットマンを派遣し、井上組長のタマを取りたいという思いはあるのでしょうが、実行に至っていないのは、井上組長のガードが相当堅くてスキが窺えないのかもしれません」

「井上組長の方も的にかけられている(ターゲットにされている)のは重々承知しているから、ほぼ籠城状態で、不自由な生活を強いられていると察せられます」

「ドンパチを激しくやるわけじゃないから冷戦状態と言ってもいいかもしれないけれど、緊張状態がそう長くは続かないのも事実でしょう」

 ところで、先に触れた井上組長の強い決意の理由とは何なのか? 神戸山口組とそのやり方が気に入らず袂を分かった任侠山口組(現・絆會)との激しい対立に関係があるという。

 2017年8月、任侠山口組本部長で4代目真鍋組の池田幸治組長は会見で、神戸側について口を極めて罵った上で、こう結論づけている。

《神戸山口組立ち上げは、山口組史上類を見ない【大型分裂詐欺事件】であったということです。大義も志もない上に立ってはならない人物が、上に立ってしまったことにより、多数の者が命を落とし、多数の遺族が悲しみ、多数の侠達が今現在も逮捕、拘留されるに至るという、取り返しのつかない悲劇が日本全国で起きてしまったのです》

 売られた喧嘩は買うとばかりに、神戸側は任侠側トップの織田絆誠(よしのり)代表に鉄砲玉を差し向ける。2017年9月のことだ。

 織田代表が銃撃を受けた際、ボディーガードが射殺されたが、実行犯と断定された山健傘下の組員はまだ逮捕されていない。

「ヒットマンは消されている可能性も否定できませんが、井上組長がカタギになってしまうと建前上、組員が戻る場所がなくなる」

「仮に逮捕されて、真実か否かは別にしても“上の指示だった”とうたって(供述して)しまうと、殺人教唆の容疑で関係者が逮捕されかねない。だから、神戸山口組を存続させなければならないという側面があるとも言えるでしょう」

週刊新潮WEB取材班

2020年9月18日掲載

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