「自己破産した人にお米をあげたい」 故・岸部四郎さんが語っていた凄まじい借金地獄

エンタメ 芸能 2020年9月16日掲載

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5億2000万円の借金

 9月15日、タレントで俳優の岸部四郎さんが亡くなったことが所属事務所から発表された。71歳。この15年ほどは脳出血に始まり、パーキソン病とも闘う日々だったという。そんな岸部さんは1998年、5億2000万円の借金を抱えて自己破産した過去を持っている。本人が「地獄だった」と語る自己破産までの道はどのようなものだったのだろうか。2000年に行われたインタビューをお届けする。

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 岸部さんの人生は波乱万丈だ。1969年、兄から誘われて急遽「ザ・タイガース」に加入。突如アイドルグループのメンバーとなった。

 バンド解散後はタレントや俳優として活躍。どこか脱力した感じのキャラクターは重宝され、人気番組「ルックルックこんにちは」の司会者を13年半担当していた。今の人にわかりやすくいえば、加藤浩次や羽鳥慎一のような役割を長年つとめていたのだ。

 その司会の座を降りざるを得なくなったのは、金銭問題だ。病よりも先に岸部さんを襲ったのは、多額の借金だったのである。

 1998年4月、岸部さんは5億2000万円の借金を抱えて自己破産した。それから2年経った時点で取材に答え、自己破産するまでの3年間は「地獄」で、「とくに最後の1年間は思い出すのも辛い状態でした」と語っている。

 司会者を降板させられるまでに至った借金地獄とはいかなるものだったのか。月刊誌「新潮45」の特集「人生で『地獄』を見た時」(2000年8月号)で、岸部さんは実に率直に語っている(以下引用は同誌より)。

離婚をきっかけに

「そもそもなぜ、そんな借金地獄に陥ってしまったのか。今回のことで降板するまで十三年半務めていた『ルックルックこんにちは』の司会を引き受けるのとほとんど同じ頃に、僕は前妻と正式に離婚しました。

 離婚の条件として先方から提示された条件は、『子供二人の養育費として六十万円。家のローンとして六十万円。合計毎月百二十万円の金を支払うこと』というきつい条件でした。しかし相手側の弁護士は『岸部さんなら将来どんどん稼げるようになりますからこのくらいへっちゃらですよ』なんて言う。僕も長い争いに疲れ果てていたし、とにかく一刻も早く離婚したいという一心で、その公正証書に判をついてしまった」

 この判断が間違いだった、と岸部さんは悔いている。

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