中国、200個保有の核弾頭は10年後倍以上に…… 日本はこの脅威にどう対応すべきか

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核保有の議論

 日本は米国を頼るしかない。

「日本は唯一の被爆国ということで、非核三原則を貫いています。しかし、それだけでは、核廃絶に向けて大きな貢献はできません。もう、非核三原則だけでは通用しない時代になってきたと思います。中国だけでなく、北朝鮮の核の脅威もあります。それらに対処するには、核保有の議論をすることが必要かもしれません。自民党の中川昭一代議士が、日本では核の議論もできないので非核四原則だと発言していました」(同)

 中川代議士は2009年4月、北朝鮮によるミサイル発射実験を受けて「純軍事的に、核に対抗できるのは核だというのは、世界の常識」と発言。一部で問題になった。

「日本で核を保有することは不可能でしょう。本当に核を保有するのではなく、核保有の議論をするのです。また核開発のための研究もする。日本もいざという時は、核を保有できるということを世界にアピールする。それだけでも抑止力になります。日本はプルトニウムの有数の保有国ですから、いつでも核を作れる環境にあります。だから核保有の議論をすることは説得力があります。いつまでも非核三原則に固辞していると世界から舐められるだけですよ」(同)

 さらに、中国海軍も脅威という。世界一の規模にまで海軍の規模を拡大したのは、尖閣諸島を奪うのが目的だという。実際、中国海警局の巡視船はこれまでに何度も尖閣諸島の領海に侵入しているが、その際、中国海軍のミサイル艇が連動して台湾付近に展開していることが判明している。

 ワシントンにあるシンクタンク「戦略予算評価センター(CSBA)」は今年の5月、「龍対日:日本のシーパワーに対する中国の見方」という論文を発表。そこで、過去10年間で中国海軍は艦隊の規模、総トン数、火力などで海上自衛隊を凌駕しているとの見通しのもと、尖閣諸島周辺での紛争によって中国が数日のうちに尖閣諸島を奪取するシナリオを描いていると指摘した。

「日本のシーレーン(有事に際して確保すべき海上交通路)も警戒しなければいけません。その防衛を強化する必要があります。中東から日本へ石油を運ぶには、マラッカ海峡を通って、南シナ海をまっすぐ直線で突っ切って日本に来るのが、一番船舶費用が安い。そこで中国海軍が妨害工作を行うとやっかいなことになります。中国は艦艇ではなく、漁船を使って妨害する可能性もありますからね」(同)

週刊新潮WEB取材班

2020年9月9日掲載

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