菅政権の仕掛け人、81歳「二階俊博」が幹事長を絶対手放さない“家庭の事情”

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目指すは田中角栄!?

 一方、菅官房長官も動いた。9月2日に記者会見を開き、自民党総裁選の出馬を表明した。

 同じ日には細田、麻生、竹下の3派閥も会見で「菅支持」を発表。二階派は含まれていなかったため、九州のブロック紙である西日本新聞は電子版で「会見呼ばず…露骨な“二階派外し” 『主流派』巡り争い激化」と報じた。

 要するに“菅首相”を前提に党内で激しい権力闘争が争われていることが垣間見えたわけだ。

 ひょっとすると3派閥には相当な危機感があったのかもしれない。何しろ前日、毎日新聞は「自民党総裁選:菅氏、自民総裁選出馬へ 二階派、支援の方針」の記事を掲載した。

 記事にある以下の記述を読むと、二階=菅ラインの結束は更に強固になったように見える。

《菅氏は29日、東京都内で二階氏と会談し、総裁選での支援を要請した。二階氏は「頑張ってください」と伝えたという。会談には森山裕国対委員長も同席した》

 4月22日、二階氏は幹事長の通算在職日数が1359日となり、それまで歴代2位だった森喜朗元首相(83)の在職記録を抜いた。9月8日まで幹事長の座にとどまれば、田中角栄元首相(1918~1993)の最長記録を抜く。

幹事長に執着する理由

 二階幹事長が田中角栄元首相を師と仰いでいることは、永田町ではよく知られている。1983年、二階幹事長は中選挙区制だった旧和歌山2区から田中派公認で衆院選に立候補、初当選を果たした。

 ロッキード事件の被告として身動きの取れなくなった田中元首相は、最大派閥だった田中派のドンとして自民党総裁=首相の指名権を手中に収め、政界に君臨を続けた。

 今、着々と“菅内閣”を誕生させつつある二階幹事長の姿は、“師”である田中角栄元首相に重なって見える。

 それこそが二階幹事長の望むところだという。政治担当記者は「二階さんは何が何でも幹事長の座にしがみつき、党内で権力を振るい続ける必要があるのです」と解説する。

「改めて確認しておくと、二階さんと菅さんがこの数年、親交を深めてきたのは紛れもない事実です。仲がいいのは、よく知られていました。ただ、今回の動きには親交以上の、きな臭いものが含まれているのも否定できません」

 二階幹事長は何より、幹事長の留任を希望しているという。もし菅官房長官が首相になれば、その願いは「まず叶うでしょう」(同記者)ということだ。

「二階さんは次の衆院選までは立候補する予定で、その次は出馬しないと言われています。引退して息子さんに後を継がせるのが最重要の課題で、それまでは政界の実力者として地位を確保し続けねばならないのです」(同)

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