星野源、野田洋次郎の次は……ミュージシャンがドラマ参入で中堅俳優は戦々恐々の日々

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峯田和伸や渡辺大知も活躍

 AERA dotは5月24日、宝泉薫氏の署名原稿「RADWIMPS・野田洋次郎は星野源になれるか? 『エール』での演技で垣間見えた役者としての素質」を配信した。

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 宝泉氏は『昭和歌謡 勝手にベストテン』(彩流社)などの著作で知られる。記事はタイトル通り、バンド「RADWIMPS」のボーカル・野田洋次郎(35)が、NHKの朝ドラ「エール」(8:00)で披露した“歌唱力”を論じ、俳優としての演技を高く評価する内容になっていた。

 更に記事では、NHKの朝ドラが、ミュージシャンを俳優としてキャスティングし、効果をあげてきたことを紹介している。引用させていただくと、ざっとこんな具合だ。

【ミュージシャンの朝ドラ出演】
●2015年上期「まれ」 黒猫チェルシー・渡辺大知(30)
●2016年上期「とと姉ちゃん」 在日ファンク・浜野謙太(39)
●2017年上期「ひよっこ」 銀杏BOYZ・峯田和伸(42)
●2019年下期「スカーレット」 T.M.Revolution・西川貴教(49)

【俳優兼ミュージシャンだった新人の朝ドラ出演】
●2915年下期「あさが来た」 ディーン・フジオカ(40)
●2019年下期「スカーレット」 松下洸平(33)

 民放キー局でテレビドラマの制作現場に詳しい関係者が言う。

「この分野で最も売れっ子と言えば、もちろん星野源さん(39)ですね。星野さんも、しっかり朝ドラに出演しています。10年上期の『ゲゲゲの女房』ですね。NHKのキャスティングが評価されているのは、演技が未経験のミュージシャンを抜擢するのではなく、実は既に演技を経験しているミュージシャンやボーカリストを選び、世間に注目させるのが巧いのです」

ミュージシャンと俳優の共通点

 例えば野田洋次郎なら、15年に映画「トイレのピエタ」[松竹メディア事業部:松永大司監督(46)]で、何と主演として俳優デビューを飾っている。

 おまけに演技も高く評価され、日本アカデミー賞と毎日映画コンクールで新人賞をW受賞した。しかし、ツイッターなどでは依然として「野田洋次郎が演技もできるなんて知らなかった」と驚く投稿が後を絶たない。

 上の表なら、浜野謙太の俳優デビューは配信ドラマの「婚前特急―結婚まであと117日―」(11年)だ。

 峯田和伸は03年の映画「アイデン&ティティ」[東北新社:田口トモロヲ監督(62)]、そして西川貴教は舞台「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」(1999年)――という具合だ。

「今年に入って新型コロナウイルスが蔓延し、ミュージシャンの方々はライブの仕事が激減しています。俳優の仕事に意欲を燃やしやすい状況になっているわけです。加えて歌と演技は似ているという側面も無視できません。歌も感情を声に乗せます。その際に生まれる表情も極めて多彩です。何よりも、優れたアーチストには“天が二物を与える”ことが珍しくありません。フランク・シナトラ(1915〜1998)は数々のヒット曲を放った後、俳優の世界にも足を踏み入れ、1953年にアカデミー賞助演男優賞を受賞しました」(同)

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