さらば「晋ちゃんまんじゅう」 全17バージョンは全て社長のアイディアで考案

ビジネス 企業・業界 2020年9月3日掲載

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 安倍晋三首相の辞意表明を受け、国会などで販売している「晋ちゃんまんじゅう」の最終バージョンが発売されるという。第1次安倍内閣が発足した2006年9月に発売、1年間で55万個(箱)を売り上げた人気商品は、これまで実に16バージョンも作られた。

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 国会を訪れた際、議員会館の売店で買い求める定番土産が、著名政治家の似顔絵を描いたお菓子だ。なかでも「晋ちゃんまんじゅう」は、売れ筋商品として知られる。晋ちゃんシリーズの第1号は、2006年9月の「誕生 晋ちゃんまんじゅう」。国会議事堂を背景に、卵から孵った安倍首相が右手を高く挙げている。中身は、黒ごまきな粉饅頭だ。

「『誕生 晋ちゃんまんじゅう』が55万個も売れたのは、安倍首相の人気が高かったからですね。当社は、政治家の饅頭は都内だけで販売していました。晋ちゃんまんじゅうは山口でも販売することができたので、これだけ売れたのでしょう」

 と語るのは、菓子土産会社「大藤」(東京・荒川区)の大久保智文社長。

 大藤が最初に政治家の似顔絵を使ったお菓子を手がけたのは2001年、小泉純一郎首相の『純ちゃんまんじゅう』だった。この商品は4バージョンあった。

「小泉首相が辞任する前、『ポスト純ちゃん饅頭』を販売しました。次期首相候補の麻生太郎さん、谷垣禎一さん、福田康夫さん、安倍晋三さんのイラストも一緒に掲載したら、マスコミから取材がありまして……。総裁選では、勝敗が決まった瞬間にテレビで『ポスト純ちゃんまんじゅう』を撮影していただきました。結局、安倍さんが勝って『晋ちゃんまんじゅう』を発売すると、さらに話題になったのです」(同)

目指せ政権奪還!

 第1次安倍内閣では、「晋ちゃんまんじゅう」は3バージョン(山口バージョンを含む)発売した。2009年に自民党が野党に下野すると、谷垣総裁の饅頭を販売した。

「自民党が野党になったからといって、他の政党に乗り換えるわけにはいきません。小泉首相の時代からずっと応援させていただいていますから。谷垣総裁の似顔絵を使った『みんなで行こうZE!!自民闘』を販売しました。すると他社が、鳩山由紀夫首相の饅頭を販売したのです。谷垣饅頭より鳩山饅頭の方がよく売れたので、そのことをメディアが報じていましたね」(同)

 2012年9月、総裁選で安倍氏が再び総裁に就任すると、まず「目指せ政権奪還!帰ってきた~!晋ちゃんまんじゅう」を。そして、同年12月の総選挙で自民党が圧勝すると、「日はまた昇る 晋ちゃんまんじゅう」を販売した。第2次安倍内閣以降は、計13バージョンの「晋ちゃんまんじゅう」を発売したという。

「『晋ちゃんまんじゅう』は、いつも同じパッケージでは飽きられてしまうので、その時の政局を見ながら、パッケージングを私が考案します。社員からも意見を聞き、アイディアをまとめてデザイン会社に発注するのです」

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