フォロワーが約1日で6万人を突破 話題の島根「やすもと醤油」は通販商品も完売

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コロナで方針転換

 だが、安本さんが男性社員に依頼したのは、新商品「くんせいしょうゆ」の販路開拓だった。

「醤油は従来のやり方を守るけれど、くんせいしょうゆは新商品。全国に販路を求め、とにかく売っていこうという方針だと言われたんです。こうして入社してから、ずっとくんせいしょうゆを売ってきました。何しろ社員が9人しかいない会社ですから、営業だけではなく、製造ラインの見直しとか、とにかく何でもやりました(笑)」(同)

 努力の甲斐があって、1年ほどすると、くんせいしょうゆを利用した「くんせいナッツドレッシング」がヒット商品となる。

「当初から首都圏に狙いを定めて営業をかけていました。その流れで関東地方の展示会にくんせいナッツドレッシングを出品すると、プロの料理人の皆さんから高い評価をいただいたんです。特に居酒屋が有力な出荷先の1つとなりました」(同)

 苦労が報われたと喜んだのも束の間、新型コロナウイルスの流行で外食産業は打撃を受ける。くんせいナッツドレッシングの売れ行きも停滞してしまった。

「肩の力が抜けた」

「売上が本格的に落ちこまないよう対策を講じることが決まりました。公式サイトをリニューアルして、ネット通販を拡充したんです。当初はカートもなく、商品番号を入力してもらうようなスタイルだったので、それを改善しました。その上で会議が開かれ──といってもぬるい雰囲気なんですが──ツイッターを始めることも決まりました。社長の息子に『ツイッターをやってよ』と頼まれたんです」(同)

 男性社員は「業務の合間ならやってもいい」と条件付きでOKを出す。とはいえ、自身のスマホにはツイッターのアプリをダウンロードしていないほど、縁のない世界だった。

「ネットでツイッターの活用法を検索したりして(笑)、とにかくスタートしました。フォロワーが10人でも、『そういうもんだよな』と、むしろ納得していましたね。今回話題になって、『フォロワーが40人もいて』のツイートに、最近は『話題になると狙って投稿したんですか?』と質問されることも増えましたが、そんなことはありません。フォロワーが増えないのが当たり前だと思っていましたから、本気であんな会話を社内でしていたんです」(同)

 ツイッターを開始してからしばらくすると仕事が多忙になり、およそ3週間もツイッターを更新しないことがあった。だが、その“空白期間”が思わぬ効果を生む。

「今から思うと、始めた頃のツイートは堅い感じだったと思います。とにかく失礼のないように、とだけ考えていました。そして3週間もほったらかしにしていたことを反省して再開したのですが、その間に肩の力が抜けたのかもしれません」(同)

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