フォロワーが約1日で6万人を突破 話題の島根「やすもと醤油」は通販商品も完売

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 島根県の醤油メーカー・やすもと醤油の公式ツイッターが8月26日に投稿したツイートが爆発的に拡散し、大きな話題になっている。

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 26日の時点では40人だったフォロワーが、28日午後1時になると何と6万人を突破したのだ。

 ネットメディアを中心に驚きの声を伝える記事も配信されるなど、社会的現象になりつつある。「シンデレラストーリー」と評する声もあるほどだ。

 まずはフォロワーの数を劇的に伸ばすきっかけとなった、26日に投稿されたツイートを引用させていただこう。

《(一応)企業アカウントなので成果がないとtwitterを辞めさせられてしまう厳しい世界です。うちのアカウントを見た上司と同僚が「フォロワーが40人もいて、いいねもたくさんついててメッチャバズってるじゃん!」と言っていました。当分の間は大丈夫そうです》(註:改行と絵文字を省略し、句読点を補った、以下同)

 成果がないと辞めさせられてしまう、という文言で読者を驚かせながら、フォロワー40人で上司が評価というオチに安堵する──こういう読者は少なくなかったはずだ。

 巧まざるユーモアが評判を後押ししたのか、このツイートが急速に拡散していく。フォロワーも増える一方となり、8月28日には、

《フォロワーが7万人を突破しました。昨日のお昼前の自分に教えてあげたいですね、信じるわけないんですけど》

 とのツイートが投稿された。

社員は9人

 公式サイトによると、やすもと醤油の創業は1885年、明治18年になるというから完全な老舗だ。士族だった六代目当主が大政奉還で“失職”し、醤油店を創業したのが原点という。

 1980年、昭和55年に当時は珍しかった国産丸大豆100%の再仕込み醤油を発売し、安全と安心、品質を兼ね備えた醤油の醸造を続けてきた。何より県民の支持を受けながら現在に至っている。

 ちなみに社員は9人。このツイッターを手がけたのが、30代の男性社員だ。ご本人の希望で、これ以上のプロフィールは明かせないが、インタビューの依頼には快諾をいただいた。

 男性社員が入社したのは5年前。現社長の息子で、営業責任者を務める安本寿政さんと中学・高校の同級生だったことが縁だった。

 高校を卒業し、複数の会社でサラリーマン生活を送った。そして「一区切りがついた」というタイミングで、安本さんから「仕事を手伝ってくれないか」と頼まれた。

「弊社の醤油は醸造所の前に設置した販売店で売るか、ご家庭にお届けするのが基本で、販路の拡大も慎重です。スーパーに卸すことや県外に出荷することも、あまりありません。良質で美味しい醤油を、地元に密着して売る姿勢で、私も入社前から『伝統を守って商売を続けている醤油屋さん』というイメージを持っていました」(男性社員)

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