文在寅大統領は困った時の「K防疫」頼み…反政府デモ却下を断行

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集団感染のリスクを招いたとして、文政権反対派の主導者を取り締まる

 8月15日、警察は光化門一帯にバリケードを設置して広場を閉鎖したが、正午頃から人々が集まりはじめ、広場に隣接する歩道は歩くスペースがなくなるほどの活況を呈した。

 保守系団体は公式には不参加を表明したが、裏で参加を呼びかけたのだ

 広場には各地の高校や中学の校旗が掲げられ、同窓生らが旧交を温めた。地方から貸切バスで駆けつけた参加者は広場に隣接する景福宮の観光を楽しんでいる。

 警察官に暴行を働いた30人ほどが検挙されたが、広場周辺には、大規模集会が行われるたびに必ず顔を出す屋台が店を出す賑やかなお祭りだった。

 警察は禁止命令に逆らって集会を主導した人を感染病予防法違反などの疑いで捜査する方針だが、専従捜査チームは30人程度の規模で、どこまで捜査できるのか疑問しかない。

 一方、文在寅大統領は、集会を強行した団体の代表者を容赦しないとSNSに投稿した。

 タマネギ男こと曺国前法務部長官の辞任以降、支持率が低迷していた文政権はK防疫と名付けたウイルス対策で一時的な収束に成功し、4月の総選挙で与党を勝利に導く。

 今回、文大統領は集団感染のリスクを招いたとして、文政権反対派の主導者を取り締まる名目を手に入れたつもりでいる。

 世界経済を狂わせているウイルスは文在寅大統領を2度も救った。新型コロナウイルスは疫病神そのものだが、類は友を呼ぶのだろうか。

佐々木和義
広告プランナー兼ライター。商業写真・映像制作会社を経て広告会社に転職し、プランナー兼コピーライターとなる。韓国に進出する食品会社の立上げを請け負い、2009年に渡韓。日本企業のアイデンティティや日本文化を正しく伝える必要性を感じ、2012年、日系専門広告制作会社を設立し、現在に至る。日系企業の韓国ビジネスをサポートする傍ら日本人の視点でソウル市に改善提案を行っている。韓国ソウル市在住。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年8月17日掲載

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