日韓GSOMIA更新が近づき…脅威と向き合わない韓国にだけ構ってはいられない

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米韓GSOMIAがあるから日韓GSOMIAがなくなっても問題ない、という声

 ちょうどその頃、朴槿恵前大統領が崔順実(チェ・スンシル)氏に機密情報を漏らした疑惑が報じられ、退陣を求める声が広がりはじめていたのである。野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)顧問(当時)は、協定にある韓国が入手した情報を日本に伝えるという部分だけを取り上げて朴前大統領の解任要求に利用し、国民は意義と内容を理解しないまま、オンライン世論調査では59%が反対した。

 軍事情報包括保護協定GSOMIAは、同盟国など関係が親しい2国間または複数国間で秘密軍事情報を提供する際に、第三国への漏洩を防ぐ協定である。

 一般には軍事技術や戦術データ、暗号情報、高度のシステム統合技術など有事の際の共同作戦に必要な情報を網羅し、秘密情報活動で得られた軍事情報も含んでいる。

 日本は2020年8月現在、米国など7つの国と機関、韓国は36の国や国際機関とGSOMIAを締結している。

 もし協定に違反して情報を漏洩させたら、他の締結国からも情報を得られなくなる。約束反故が常習の韓国といえども、安保の死活問題になりかねない協定を破ることはない。

 韓国内には、米韓GSOMIAがあるから日韓GSOMIAがなくなっても問題ない、という声がある。本当にそうなのか。

 いま、韓国と米国、そして日本が北朝鮮の軍事動向を監視している。

 北朝鮮のミサイルを、米国は主に軍事衛星で、日本は偵察衛星とイージス艦、地上レーダーなどで監視し、軍事衛星を持たない韓国は地上レーダーなどを使って捕捉している。

 地球は丸いから、自衛隊のイージス艦や地上レーダーは北朝鮮のミサイル発射を捕捉できず、韓国軍のレーダーは着弾を捕捉できない。日本海側に基地がない在韓米軍と在日米軍は、地上からミサイルを捉えることはできない。

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