ババホジャエヴァ・オルズグルが日本で見つけた飲食店 美味しいNIPPON

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 好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第51回は、ババホジャエヴァ・オルズグルさん。今回は「酒ぐら 鳥酎 溜池山王店」に伺いました!!

 ユーラシア大陸のほぼ真ん中に位置する中央アジアのウズベキスタン。その首都タシケント生まれで、13年前に日本にやってきたババホジャエヴァ・オルズグル、略称、オルさんはシルクロードが通っていた地域からやってきたことが一目でわかるエキゾチックな顔立ち。

 テレビのさまざまな番組に出演多数、日本語でウズベキスタンについてのガイドブック編集に参画。外国人では唯一のフードアナリスト2級の資格を取得した。これはオルさんが愛する日本文化の中でも、食に関する知識を深めるため、猛勉強して勝ち得たものだ。

「13歳の時、ひらがなに出会って、その形の美しさに一目惚れしました。その後、大学で日本語を専攻する一方、母国では日本人向けの観光ガイドをしていました」

 かの地の料理は日本にあるものと見た目は異なるが、似ているところもある。

「プロフというご飯料理がありますが、これは炊き込みご飯にそっくりです。ラグマンはうどん、マンティという大きめの蒸し餃子もあります」

 中央アジアから中東、北アフリカにかけて、串焼きは広く「ケバブ」と呼ばれるが、焼鳥もケバブ同様、注文が入ってから焼き始めるので、熱々のまま食べるのがおいしいのだという。

 オルさんの一番のお気に入りは、溜池山王にある焼鳥店「鳥酎」の白レバー串だ。

「私は塩で食べるのが好きなのですが、白レバー串は、ふわふわで、口の中でとろける感触といいましょうか、本当にジューシーなんです」

 これといっしょに日本酒をクィッと飲むと、最高の気分になるらしい。

「日本は食事と食器、お酒、それから、お風呂や温泉がもうセットで楽しめるようになっています。そういう和食文化が大好きで、家で納豆を作ったり、マンションのベランダに干し柿を吊るしたりしているんですよ」

 日本全国ほとんどの都道府県を訪ねたことがあり、温泉が大好きで、九州では黒川温泉や別府温泉、最近では静岡の網代温泉がお気に入り。この日も焼鳥を食べた後は、熱海方面に向かい、源泉掛け流しの湯を一風呂浴びる予定なのだ。日本人よりも日本を愛するウズベキスタン美人である。

週刊新潮 2020年8月6日号掲載

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