WHOの責任は棚に上げ、台湾批判のテドロス事務局長 中国の陰謀という指摘

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中国の陰謀

 ところが、そんな台湾の動きを牽制するかのように4月8日、突如、WHOのテドロス事務局長が台湾を名指しで批判したのである。

「テドロス事務局長は記者会見で、『(ネットで)人種差別的な攻撃を3カ月以上受けており、それは台湾からだ。台湾の外交部は知っていたが、何もせず、むしろ私を批判し始めた』と発言したのです。これに対し、台湾側は『事実無根』と反論。外交部はこの“中傷”への謝罪を要求しました」(同)

 蔡英文総統も翌9日、Facebookにこう書き込んだ。

《台湾は長年国際組織から排除され、誰よりも差別と孤立の味を知っている。テドロス事務局長にはぜひ台湾に来てもらい、差別を受けながらも国際社会に貢献しようと取り組む台湾の姿を見てほしい》

「台湾の捜査機関である法務部調査局は、台湾からテドロス事務局長へ中傷が行われた根拠は見つからなかったと反論しています。その後、Twitterに『台湾人として謝罪します』『テドロスさん、ごめんなさい』などという書き込みが100件以上、テドロス氏宛てに投稿されたが、それらは中国大陸からの投稿であることを突き止めています。調査局は、『台湾人を装った中国側の偽の投稿で、台湾側が攻撃を認めたように見せかける陰謀』と分析しています。テドロス事務局長への人種差別的な書き込みも、中国の工作である可能性が高いですね。テドロス事務局長はエチオピア出身ですが、中国はエチオピアに多大な投資をしています。彼は中国の言いなりになって台湾を批判しているというのは、誰の目にも明らかですね」(同)

 台湾が反論すると、今度は中国政府の国務院台湾事務弁公室の報道官が、こう語った。

「民進党はコロナ問題を利用し、台湾独立を謀るために手段を選ばない。自らのネット部隊が思うまま差別的な言論を広げるのを許している」

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