「ノストラダムスの大予言」の五島勉さん逝去 昨年、本人が遺した最後のことば

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「誰かが伝えなきゃ」

 んっ? 予言は外れていないと言うのか? さらに、こうも言う。

「私はあの本に予言だけを書いたわけではなく、第1巻に『残された望みとは?』という章があります。ノストラダムスの大予言はキリスト教の体系下で書かれたもので、たとえば東洋的な思想を持てば世の中は変えられる。私はそういうことも書いていたんです」

 意外にも、いまなお自信満々の五島氏だったが、懺悔の言葉も用意していた。

「親や先生から、“子供が読んで夜も寝付けなくなった”とか“自分の命は99年までだと悩み始めた”とかの意見が届き、ショックを与えてしまったことに関しては、申しわけないと思うようになりました。ただ、子供たちは最終章の『残された望みとは?』までは読んでいなかったし、後で聞くと、大人ですらあまり読んでいませんでした」

 でも、「滅亡」なんて言われた時点で、読者は冷静でいられませんって。それでも五島氏は、自身の善意を疑わないらしい。

「キリスト教には世界の終末という考え方がある。そこに核兵器によって危機的状況が生まれていた。誰かが伝えなきゃ、と思って本を書いたんです。いまも人間は富を使って人殺しの道具を作っています。核兵器も、テロリストの手に渡ったら、と考えると恐ろしいですよ。いまの世界情勢も、ノストラダムスが予見していたと言えるんです」

 あの本のおかげで世界は救われている、と言わんばかりの勢いである。

2020年8月1日掲載

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