長引くコロナ禍で大激変の風俗産業…勝ち組・負け組の当事者が赤裸々に告白

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昼の仕事をとハローワークに足を運んだものの…

 Cさんはこんな店にいられないと青森市の店に応募。採用され、特定給付金の支給や自粛の反動もあり売り上げが伸びて行った。しかし7月10日、「青森市の派遣型風俗店で女性従業員がコロナ感染した」という報道が流れ、これを機に客足は一気に引いてしまった。

 LINEでやり取りしていた客に営業をしても「こんな時期に怖くて行ける訳がない」という当然の反応が返ってくるだけ。自身も子供を持つ身なのでコロナ感染して子供に何かあってはいけないと考え、しばらく休みたいと店長に話したところ拒否されたという。

「店長は休業中の売れている子のダミーとして私を派遣するつもりだったらしく『ロクに働いていないんだから、こういう時くらい働いてよ』と言われました。売り上げがないからお金もなく、仕方がなく受け入れました」(Cさん)

 しかし、人気のある子を呼んだつもりの客からは違うと当然ながらクレームがつく。店に戻ると店長から「どうして客をなだめないんだ」と叱責されたという。その上、ダミーで派遣されたのだからと指名料もなく、取り分も下げられた。理不尽に思ったCさんはどうしたらよかったのかと店長に言い返したところ「本番でも何でもしてチップでももらえばいいじゃない」と言い放ったという。

 Cさんは現在、ほかの店に再度移籍しようか考えているが、現在の職場まで車で1時間ほどかかる場所に住んでいるため別の地域への移動は難しい。これを機に昼の仕事に就こうかとも考えハローワークへ足を運び面接も受けた。しかし、風俗店で働いていた期間の職歴は空白。当然、面接ではその点を問われた。

「どうせ昼の職に戻れないと思って、私たちのような人間に無茶苦茶を言うのではないかと思うようになりました。悔しいですけど、昼の仕事の面接を受けても意味がないのかなと……」(Cさん)

 コロナ前と後とで、これだけ光景が変わった業界もなかなかないのではないか。

畑中雄也(はたなか・ゆうや)
1980年生まれ。出版社、新聞社勤務を経て現在は食品製造業を経営。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年7月28日掲載

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