長引くコロナ禍で大激変の風俗産業…勝ち組・負け組の当事者が赤裸々に告白

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スカウトのため息、逃げ場がない地方

 Bさんは「悪質な店ではたまにあると聞いたことがありましたが、コロナの影響でそういった店が増えたのではないかと思います」と話す。

 そうした悪質な店に斡旋すると、Bさんが非難した当のスカウトも収入は減少している。スカウトは斡旋した女性の売り上げの数パーセントが店側から支払われ、そのマージンを所属するスカウト会社(スカウトの業務は職業安定法に抵触することが多いため、実際は団体)へ納める。

 各スカウトによって歩合は異なるだろうが、相場は折半だ。都内を中心に活動するスカウトの男性は「収入が減っても女のわがままだけはコロナ前と何ら変わりません。偉そうな口を叩くならまずは売り上げを元に戻せよと言いたいですね」と吐き捨てる。

 この男性はコロナ前とコロナ後とを比べると、酷い時で収入が1割まで減少したという。そのため、女性を地方の“出稼ぎ”へ斡旋したり、よりハードなサービスの店舗へ移籍させたりしたという。男性は「女性と自分たちは一蓮托生のようなところがありますから、稼げる店を案内するだけです」と話す。しかし、それでもほとんどの女性は大きく売り上げを落とし、男性の収入は下がったままだ。「よほど人気が出る子でも抱えていないと、より悪質な店に紹介するしかない」

 東京などの都市部であれば業種を変えたり、ほかの地方の店舗へ短期移籍したりすることもできるが、地元が地方の女性はそういう訳にはいかない。青森県の派遣型風俗店で働く20代のCさんは、シングルマザーで小学2年生の長男と暮らしている。コロナ前までは出勤すれば日に2~3万円は稼げていたが、コロナ禍で収入は激減。待機所にいてもほぼ指名がなく1日が終わることもあった。コロナ以前なら男性スタッフから「こういう日もあるよね」と言われるだけで済んでいたのが「ちゃんと接客しているのか?」と詰問されるようになった。これまでは男性スタッフが女性に酷いことを言った場合は店長が注意していた。しかし、注意することもなく果ては待機所にいる女性に対し男性スタッフによるセクハラなども横行する始末。

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