ALS嘱託殺人、容疑者の妻は元自民党国会議員 石破茂元幹事長を呆れさせた過去

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家宅捜査は自民党の陰謀?

 事件の解明はこれからなのに、離婚して、次のパートナーを探そうと言わんばかりである。元国会議員にしては、俄かに信じがたい発言だが……。

 改めて彼女の経歴を紹介すると……。鹿児島県出身、東京女子大文理学部哲学科を卒業後、大分県臼杵市へ移住し、地域おこしグループで活動。26歳でNHK北九州放送局の契約キャスターになるも、リストラで退局。北九州の劇団で役者として活動した後、慶応大学大学院の修士課程を修了、慶応大学グローバルセキュリティ研究所の研究員に。2011年に大久保愉一容疑者と結婚、翌12年に、自民党の推薦で宮城5区から衆院選に出馬し、民主党の安住淳氏に敗れるが、比例東北ブロックで復活当選を果たした。

 ところが、新人議員となった三代氏は、ブログで問題発言を繰り返し、自民党内で度々問題視された。石破茂幹事長(当時)が全所属議員に対して参院選候補者のポスターを千枚貼るように指示をだすと、彼女は2013年6月4日のブログで、

《あ~、胃が痛い。これはきっと、ストレス性イシバ症候群だわ。呼び出し五秒前なんだけど、説教されたからって、ポスターは一枚も増えないのにさ。》

 などと、書き込み、天皇陛下がご臨席される通常国会の開会式で、お召(礼装ではない)を着て登壇し、顰蹙を買ったこともあった。

 実は、週刊新潮も2014年2月20日号で彼女のことを取り上げている。記事のタイトルは「不倫の夢まで発信する自民党代議士に『石破幹事長』が怒った!」。一般的に議員がブログで発信することと言えば、政策や自分の議員活動に関することである。しかし、彼女の場合、もっぱら私生活に関する話題ばかり。挙げ句、夫が不倫した夢まで書き込む始末であった。当時の記事の一部を紹介すると、

「〈夫が、片山さつき先生と浮気した夢をみて/ものすごーく哀しくて/真夜中に飛び起きた私〉こう始まるのは、1月18日付の大久保センセイのブログ。〈すぐさま、夫にメール〉したそうだ。〈今、あなたに浮気されて、ものすごーく悲しかった夢をみた。すごいんだよ、君は片山さつき先生と、やったんだよ〉“やった”などとえげつなく書かれた片山さつき議員には、同情を禁じ得ないが、夫婦間の微妙な経緯をいちいち曝される夫君も気の毒だ。1月16日付には、〈入院に至った私に対し、姑は『息子に子育てをさせるなんて嫁失格。離縁しなさい』と。それを聞いた夫も“仕事と子育てさせられる俺って可哀想”な気持ちになったんだそうで『離婚だ!次は従順で俺の世話をしてくれる女と再婚するんだ』と〉」

 むろん、この記事に出てくる夫は、愉一容疑者のことである。到底、国会議員のブログとは思えない内容だ。当時、自民党の幹事長だった石破茂氏は、週刊新潮の取材にこう答えている。

「本当は女川町長の須田善明さんに出てもらいたかったのですが、彼は震災復興への使命感から“町長を続けたい”と断った。そこで公募したところ、出てきたのが大久保なんですね」

「あまりの馬鹿馬鹿しさに、今さらその内容を論評する気にもならないけどね」

「女性局長や総務会長、宮城県連会長からも、ブログをやめるよう注意してもらったことはありますが、彼女には全然改める気がないんですね。かと言って、私が直々に注意すれば、100倍に膨らませてブログに書くに決まっている」

 結局、ブログで名前が売れても、2014年の衆院選では自民党公認が得られず、出馬を断念した三代氏。意外なことに、先日7月12日に投開票があった名取市長選に出馬していた。もっとも、現職の山田司郎氏に、1万7000票以上の大差で敗れた。ブログでは、

《警察が家宅捜索にきたとき、最初は呑気に構えていました。

「ああ、選挙でると警察来る、っていうあれ?このまえ首長選でたばっかだし、衆議院解散近いし、自民党の陰謀?」

みたいな。すると警察はすかさず

「選挙のあとに警察くるのは、選挙違反のことだけです。家宅捜索に来るいじょうは、それなりの証拠かためがあって来てますよ」

とおっしゃいました。そして、夜になって報道みると、陰謀でもなんでもなく、夫がやらかしてくれてました。はは》

 とにかく、ブログが大好きな人なのである。今ごろ愉一容疑者は、彼女のことをどう思っているのだろうか。

週刊新潮WEB取材班

2020年7月27日掲載

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