「はるな愛」監督デビュー 本人が語る“伝説のゲイ”の主演ママ

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 タレントのはるな愛(47)が映画「mama」で監督デビューを果たした。

「2年ほど前に“映画を撮らないか?”って知り合いに誘われて、すぐ浮かんだのが吉野ママの姿。戦前から戦中、戦後のいまにいたるその半生を記録に残そうって思ったんです」

 と、はるな愛ご本人。主演は“伝説のゲイボーイ”と称される吉野寿雄(90)だ。昭和5年に東京で生まれ、戦後初のゲイバーとして新橋に誕生した「やなぎ」を経て、33歳で六本木にゲイバー「吉野」を開店。深夜にもなるとそこは政財界の要人をはじめ、高倉健、石原裕次郎、長嶋茂雄、坂本九、美空ひばりといった超有名人たちで賑わった。

「吉野ママとはもう30年来のお付き合いで、いまも週に3度は食事をします。折に触れて“私の時代はねぇ”で始まるママの思い出話は、私が悩んだり迷ったりした時にいつも勇気をくれるんです」(はるな)

 で、映画はというと、

「昨年4月に名古屋市内のバーを借り、ママと3人の客たちとの掛け合いを中心に撮りました。台本はなく、客を演じるトランスジェンダーの子2人と俳優の男の子1人にほとんどの会話を任せてます」(同)

 34分という短尺ながら、

「頭に描いた絵柄を撮れて満足してます。LGBTの方に限らず多くの人に、吉野ママの姿を見て欲しい」

 吉野ママに訊けば、撮影を大いに楽しんだそうで、

「よくバケモノ扱いされた、古いオカマの話を聞いてくれて嬉しかったわよ。映画出演なんて(高倉)健さんに誘われて出た昭和40年の『網走番外地 北海篇』以来よね。それにしてもよ、2作目で主演だなんて、人生って分かんないものね」

 今後は、8月から9月に大阪で公開される予定だ。

週刊新潮 2020年7月23日号掲載

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