DeNA「ラミレス監督」の“意味不明な起用法”に批判が続出…迷采配でネットが炎上!

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 リーグ2位で終わった昨季から、今季は優勝を狙うDeNAベイスターズ。2位になったのは、前回リーグ優勝した年の前年の1997年以来ということもあり、ファンの期待も高まっている。今年で就任5年目を迎えるアレックス・ラミレス監督の口からも、今季はしばしば「優勝」の2文字が聞かれる。

 だが、その球団初の外国人指揮官の存在が「22年ぶりの頂点への障害になりかねない」と揶揄する声もある。

 ラミレス監督は就任1年目の2016年に3位となり、チームを初のクライマックスシリーズ進出に導いた。その後も17年3位、19年は2位と、低迷が続いていたチームをCS出場の常連チームに育て上げた。特に短期決戦の強さには定評があり、16年にはCSファーストシリーズで2位の巨人を破ってファイナル進出、17年は阪神、広島を倒して日本シリーズ進出も果たした。リーグ戦では広島が独走した16、17年は、シーズンの早い時期から優勝ではなく3位以内の目標転換を公言し、その現実的な戦術を評価する声もある。昨季も巨人の優勝が決まった試合の直後に2位以内を死守する「プランBに切り替える」と公言し、その言葉通りの結果となった。

 今季も来日1年目のオースティンに自らの経験を踏まえて適切なアドバイスを送り、日本人選手でも近年不振が続いていた梶谷隆幸に直接指導を行い、1番打者として起用して再生させた。データに基づく選手起用で、ここ一番での代打成功率の高さにも定評がある。対戦成績や球場の相性を踏まえての選手起用も徹底しており、個々の選手を生かす采配もしばしば見られる。明るい性格で、選手とのコミュケーションを重視する指導により、若い選手が多いチームで投手も野手も伸び伸びとプレーしている感もある。

 しかし一方で、その評価に疑問を投げかける声も少なくない。昨季も筒香嘉智の2番起用や8番に投手を入れるオーダーが賛否を呼んだ。時には奇抜とも思える采配が、ベイスターズファンによるネット上の“炎上"をしばしば巻き起こしている。

 今季、最初に話題になったのが「山崎康晃けん制事件」だ。6月27日の阪神戦、1点リードの9回に登板した山崎康は、2死1塁の場面で二度のけん制球を投げた。2ボール1ストライクとなったところで突如、木塚敦志投手コーチがマウンドに向かい、ラミレス監督の指示が伝えられたからだ。

 これがプロ入り6年目で初のけん制球だったことで、ツイッターなどネット上が騒然となった。その直後にジェリー・サンズに3ランを打たれて逆転負けと、火に油を注ぐ結果となった。

 山崎康に関しては、昨季も8月24日の巨人戦で不可解と思える采配があった。1点リードの9回裏、この回から登板した山崎康が連続三振を奪って2死となった後、ベンチを出たラミレス監督がライトの守備をソトから乙坂智に交代。このインターバルで山崎康のリズムが狂ったのか、連続四球から坂本勇人に同点タイムリーを打たれ、延長戦の末にサヨナラ負け。ファンからは「意味不明の余計な采配」と不満の声が上がった。

 ラミレス監督批判には、投手起用、継投に関するものが多い。昨年のCSでは、苦手阪神を相手に、初戦で6回まで6点リードしながら逆転負け。エース今永昇太を中継ぎ配置にしての必勝態勢だったが、4回にルール上のミスで投手交代ができず1点を失い、5回から登板した今永は2イニングを無失点に抑えたが、7回から起用したエディソン・バリオス、エドウィン・エスコバーが打たれて大量リードを守れなかった。

 今季も6月30日の巨人戦で、6回1死まで1点リードの場面で被安打3、1失点と好投していた先発の濱口遥大を交代させ、代わった国吉佑樹が打たれて逆転負けした。ラミレス監督は「スタミナがぎりぎりだった。勝ち投手になって欲しいから代えた」とコメントしたが、球数は88球で1死1塁と、さほどピンチでもない場面での交代は批判を呼んだ。

 新型コロナウイルスの影響で変則的なシーズンとなった今季、ラミレス監督が掲げるのが「Day by Day」野球だ。その日、その日をいかに勝ち抜くか、「そのための采配をする」と、開幕直後から常に口にする。

 巨人戦で逆転を許した国吉は、その3日前の阪神戦では「好調さと相性の良さ」を理由に、中継ぎ投手としては異例と思える3イニング目まで登板したが、安打と連続四球を与えてイニング途中での降板となっていた。先発投手に関しても、7月10日の阪神戦では大貫晋一、16日の中日戦では中川虎大と期待の若手先発投手を、いずれもわずか1イニングで降板させてゲームメイクにこだわったが、残念ながら2試合ともチームの勝利にはつながらなかった。

 シーズン序盤から16試合連続で勝ちと負けを繰り返す“オセロ状態"が続くなど、今ひとつ波に乗り切れない今季のDeNA。変則日程でセ・リーグは今季CSが行われず、日本シリーズに進出するにはリーグ優勝するしかない。「プランB」も、お得意の短期決戦での采配も使えず、シーズンを勝ち抜くことのみが必要となる今季。ラミレス監督が“迷”采配ではなく、“名”采配を数多く見せてくれることを期待しよう。

週刊新潮WEB取材班

2020年7月24日掲載

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