コロナ感染者、東京都よりはるかに情報公開している足立区 247人のデータから見えるもの

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7月以降、高齢者の感染は減少

 10歳未満から30代までを合計してみると103人で、全体に占める割合は41・7%となる。これに対して40代から90代は144人で、こちらは58・3%だ。

 発生から現在まで、全体の期間では若者層も高齢層も感染率は拮抗している。だが、対象期間を限定すると違う傾向が見えてくる。

 例えば7月頃から都は「若者の感染が多い」との説明を繰り返してきたが、これは事実なのだろうか。

 そこで足立区のリストを7月の前と後で2つに分け、感染者数を集計した。最初に3~6月を見てみよう。感染者の合計は187人で、全体の75%を占めている。

▼3~6月
【1】50代(29人=15・51%)
【1】20代(29人=15・51%)
【3】70代(28人=14・97%)
【3】40代(28人=14・97%)
【5】30代(27人=14・44%)
【6】60代(26人=13・90%)
【7】80代(8人=4・28%)
【8】10歳未満(6人=3・21%)
【9】10代(3人=1・60%)
【9】90代(3人=1・60%)

 10歳未満から30代は65人で、全体の34・76%に過ぎない。これに対して40代から90代は122人、65・24%となった。やはり高齢層の割合が高いことが分かる。

 では次に7月の状況をご覧いただこう。

▼7月
【1】20代(23人=36・51%)
【2】30代(11人=17・46%)
【3】50代(6人=9・52%)
【3】40代(6人=9・52%)
【5】80代(4人=6・35%)
【5】70代(4人=6・35%)
【5】10代(4人=6・35%)
【8】90代(3人=4・76%)
【9】60代(2人=3・17%)
【10】10歳未満(0人=0%)

 トップの20代だけで36・51%に達しているのだから、これだけでも若者中心の感染拡大だと簡単に分かる。

 念のため同じ計算を行うと、10歳未満から30代は38人で60・32%。40代から90代は25人で39・68%となった。

 3~6月の数字と比較しても、若者層の急増が分かる。20代は6月まで15・51%を占めるに過ぎなかったが、7月になると36・51%まで増加した。また10代も1・6%から6・35%と伸びた。

 これに対し、40代から90代までの高齢層と、10歳未満はいずれも割合が減少した。新型コロナの感染を避けようとした可能性がある。

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