ボルソナーロ大統領でブラジルはカオス状態 コロナ感染者は今後も激増、軍事政権復活をのぞむ声
ブラジルのジャイール・ボルソナーロ大統領(65)は、「コロナは風邪のようなもの」と言い放ち、これまで特段の対策を講じてこなかったことで知られる。7月7日、自身が感染していたことが判明しても、その態度は相変わらず。同日に行われた記者会見では、報道陣の前でマスクを外し、「私は元気だ」と健在ぶりをアピールしたのだ。
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ボルソナーロ大統領は、6日に38度の発熱があったため検査を受けたところ、7日に陽性反応が出たという。
ブラジリアの大統領公邸で行われた記者会見には、CNNブラジル、TVレコード、TVブラジルの3局が出席していた。
「グローボなどブラジルの主要メディアは、これまで新型コロナ対策を巡って大統領と対立していたため、7日の会見で締め出されてしまったんです」
と解説するのは、ブラジル在住のジャーナリスト。
「会見で大統領は、記者団から2メートルほど離れた際、マスクを外しました。彼なりに気を使ったのでしょうが、感染者が人前でマスクを外すなんて日本ではありえないことですからね」
ブラジル報道協会(ABI)は7日、ボルソナーロ大統領を最高裁に提訴する方針を明らかにした。大統領がマスクを外したため、記者の命を危険にさらされたたと非難したのだ。
「大統領は、記者会見の3日前となるアメリカの独立記念日に、外相らを伴って在ブラジルアメリカ大使公邸を訪問しています。公邸内で行われた昼食会ではみなマスクを外し、談笑していました。大統領の感染が発覚後、チャップマン大使は検査を行っていますが、陽性だったという情報はありません」(同)
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