グリーンウェルからソラーテまで……阪神「ダメ外国人」列伝 バースの再来はない?

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まだまだ続く“ポンコツ”伝説

 18年には、なんと阪神史上歴代外国人選手の入団1年目としては事実上の最高額とされる推定年俸3億4000万円にプラス出来高を加えた1年契約を結んだ外国人助っ人が来日した。ウィリン・ロサリオ(31)である。

 ロサリオは、春季キャンプの紅白戦や練習試合で打ちまくったことから、当初は“右のバース”との高評価を得た。

 ところが、開幕後はまったく打てなくなり、交流戦の頃には2軍に降格してしまった。とにかく外のスライダーに致命的に弱く、クルクルとバットが泳ぎ続けた結果、残した数字は75試合で打率が2割4分2厘で、8本塁打、40打点。8月には退団してしまった。

 しかしこんな成績でさえ、先の5人に比べれば、まともに見えてくる。如何に阪神フロントの外国人を見る目がないか分かろうというものだ。

 最後は昨シーズン途中の7月に加入したヤンガービス・ソラーテ(32)だ。シーズン終了までの単年契約も、17年WBCベネズエラ代表に選ばれた実績を持つ。両打ちのユーティリティプレイヤーで鳴り物入りでの入団だった。

 その評判通り、序盤は派手に活躍し、“セクシータイム”のニックネームとともにインパクトを残すが、まもなく攻守に精彩を欠き、わずか20試合で2軍落ちしてしまう。

 さらに追い打ちをかけるように「モチベーションが上がらない」という理由で職務を放棄、打率1割8分8厘、4本塁打、9打点という寂しい成績のまま、9月に帰国してしまった。まさに“グリーンウェルの再来”であった。

 そして今年のジャスティン・ボーアである。開幕戦からの4試合で16打席無安打という球団新記録を打ち立ててしまった(最終的には18打席連続無安打まで伸びた)。

 一方、7月1日の対中日ドラゴンズ戦では来日初本塁打を記録、9日の巨人戦では決勝2ランを放った。

 とはいえ、10日現在の成績は57打数12安打で打率2割3分5厘、3本塁打、9打点となっている。

 このままでは“バースの再来”という名のポンコツ外国人助っ人の烙印を押されることになりかねない。

上杉純也

週刊新潮WEB取材班編集

2020年7月11日掲載

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