「大谷世代」21人のプロ入り後を検証 甲子園に出場できなかった“雑草組”が活躍

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不運に泣いた青森山田

 次は野手に目を向けてみよう。まず内野手では京田陽太(中日ドラゴンズ)が大谷世代の筆頭だろう。

 ドラフト2位指名で日大から入団すると、プロ1年目からショートのレギュラーを獲得、141試合出場を果たしている。

 さらに打率2割6分4厘をマークしただけでなく、セ・リーグの新人選手としては歴代2位となるシーズン149安打を放ったことが評価され新人王を獲得している。

 こうして今や中日不動のショートストップとなった京田だが、出身高校は青森の強豪・青森山田である。

 21世紀に入ってからは、この青森山田と冒頭で触れた北條史也擁する八戸学院光星が、青森の高校野球界の2強を形成している。

 京田が在籍した3年間で八戸学院光星が4度も出場したのに対し、青森山田は全国の晴れ舞台を一度も踏むことはなかった。

 ちなみに16年ドラフト組から遅れること2年、大学から社会人を経由して入団した18年ドラフト組の内野手・木浪聖也(阪神タイガース)はこの京田と同じ青森山田出身である。

 木浪は昨年新人ながら113試合に出場し、98試合でショートを守った。打っては95安打で打率2割6分2厘、4本塁打、32打点とまずまずの活躍を見せた。

 つまり、京田&木浪という後のプロ入りコンビが同級生だったのに、同校は1度も甲子園の土が踏めなかったワケだ。つくづく不運なチームであった。

 続いては、大学時代に中京学院大[愛知]のショートとして活躍、先の京田と当時の大学球界で1、2を争う内野手との高評価を受けていた16年のドラ1・吉川尚輝(読売ジャイアンツ)の名が挙がる。

 京田がプロ1年目で新人王を獲得したのに対し、吉川のプロ1年目はわずか5試合の出場に留まってしまった。

 だが、プロ2年目の18年には正セカンドとして開幕スタメンを奪取し、8月に左手骨折で戦線離脱したものの、92試合に出場した。

 18年の成績は、打率2割5分3厘、4本塁打、29打点、11盗塁をマークするなど、今やチーム期待の若手内野手となっている。

 その吉川の高校は地元・岐阜県の強豪である中京[現・中京学院大中京]で、1年夏からサードの、続く秋からはショートのレギュラーとして活躍した。それでも予選の最高成績は3年夏の準決勝敗退という結果だった。

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