「大谷世代」21人のプロ入り後を検証 甲子園に出場できなかった“雑草組”が活躍

スポーツ 野球 2020年06月15日

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あの鈴木誠也も予選敗退

 いよいよファン待望のプロ野球が6月19日に開幕する。そして、この世界で現在、最も注目度が高いのがメジャーリーカー・大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)を頂点とする、いわゆる“大谷世代”ではないだろうか。

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 94年から95年かけて生まれた彼らは現在25、6歳で、まさにチームの主力となるべき年齢に差し掛かっている。

 だが、そんな大谷世代は実のところ“雑草世代”でもある。というのも、まず当の大谷自身が甲子園のヒーローではなかったからだ。

 大谷は花巻東[岩手]2年時の2011年に第93回夏の選手権、翌3年時の12年には第84回春の選抜に出場しているが、ともに初戦敗退を喫してしまった。

 そんな大谷に代わって甲子園で輝いたのが12年の春夏の甲子園を連覇した大阪桐蔭のエース・藤浪晋太郎(阪神タイガース)だった。

 これに続くのが、この大阪桐蔭の前に春夏ともに準優勝に終わった光星学院[現・八戸学院光星=青森]の打線の主軸を担った田村龍弘(千葉ロッテ)と北條史也(阪神タイガース)、そして作新学院[栃木]のショートとして2年時の夏はベスト4、翌3年時の夏はベスト8進出を果たした石井一成(北海道日本ハム)といった面々だろう。

 だが、甲子園で活躍した大谷世代の現状を見ると、お世辞にも褒められたものではないのだ。

 藤浪からしてここ3年間は8勝8敗で、なんと昨シーズンの1軍登板はわずか1試合のみだった。

 阪神でこの藤浪の同僚となった北條も17年は83試合出場、18年は62試合出場、19年は82試合出場と、今イチレギュラーの座を掴みきれていない。

 それなりの結果を出したと言えるのは、千葉ロッテの正捕手の座を勝ち取った田村くらいなのである。

 逆に甲子園に出場できなかった、もしくは出場しても目立たなかった、いわゆる“雑草組”のほうが、今や各チームの主力になりつつある。

 その筆頭格が、大谷や藤浪らと同じ12年のドラフトで2位指名された鈴木誠也(広島東洋カープ)だ。

 二松学舎大附[東京]時代はエース兼主軸打者として活躍するも、2年夏の東東京大会ベスト4が最高で甲子園とは無縁の存在だった。

 しかし、昨シーズンオフには外野手として4年連続のベストナインに選ばれるなど、今や完全に球界の顔となっている。

“大谷雑草世代”の中でも今、特に注目したいのが大卒16年のドラフト入団組だ。

 この世代がいかに大豊作だったのか、これからご紹介するが、読んでいただければ、「アレ? この選手、大谷世代なの?」と驚く方も多いハズだ。

 まずは投手からだ。真っ先にその名が挙がるのが、新鋭左腕・床田寛樹(広島東洋カープ)だろう。中部学院大[岐阜]からドラ3で入団、プロ3年目に当たる昨シーズンは規定投球回数不足ながら、防御率2・96で7勝6敗を挙げた。

 床田は強豪ひしめく大阪府の私立・箕面学園で2年生の夏予選からエースとしてチームを引っ張ったが、激戦区の壁は厚く、甲子園出場は1度もかなわなかった。

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