中国製コロナワクチンは年内の救急利用を視野に…政府実施アンケートの闇も

国際 中国

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ワクチンへの期待値をネット調査

 同時に、ワクチンに対する中国人の期待度についても調べている。

「政府の認可を受けたワクチン(インフルエンザ、B型肝炎などのワクチン)は、安全だと思いますか? 効果はあると思いますか?」
「ワクチンが実用化されれば、コロナの蔓延は制御できると思いますか?」
「ワクチン開発が成功し、政府の認可が通った場合、接種を受けたいですか?」

《このアンケートは匿名で行われ、個人情報は守られます》と冒頭に書かれていたが、中国政府の認可ワクチンに水を差すような回答は、果たして許されるのだろうか。中国というお国柄では、自然とお上の顔色をうかがった答えが多くなりそうである。

 最後は患者の優先度を選別する“トリアージ”に関する質問。これは世界共通の難問だ。

「ワクチンが実用化された際、生産量に上限があった場合、どのような人々を優先すべきだと思いますか?」

・医療従事者
・6歳以下の児童
・基礎疾患のある人
・高齢者
・小中学生

 直接的な質問も多かったが、本質を突いた質問も少なくない。アンケート結果がどのように活用されるかは不明だが、公表されれば、中国人のコロナへの意識を理解するのには役立つことだろう。そっくりそのままを信じることができるならば、ではあるが。

西谷格
1981年、神奈川県生まれ。早稲田大学社会科学部卒。地方新聞「新潟日報」の記者を経て、フリーランスとして活動。2009~15年まで上海に滞在。著書に『ルポ デジタルチャイナ体験記』(PHPビジネス新書)など。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年6月14日掲載

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