韓国唯一のノーベル賞にキズ「金大中・元大統領」子息、賞金めぐり骨肉裁判に

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賄賂を受け取ったカドで3人の息子が…

「韓国の法律では、父親の死去後、後妻に財産が相続された場合、父親と先妻との間の子どもの法定相続権は消滅してしまう。つまり、父親の財産を後妻が相続した後、後妻が死亡した場合には、後妻の子どもにのみ法定相続権が生じるのです。今回の場合、金元大統領が死亡し、後妻である李姫鎬さんが財産を相続。この時点で、先妻の子どもである長男と次男の法定相続権は消滅し、李姫鎬さんの死後、法定相続権は三男の弘傑氏のみに発生するのです。李姫鎬さんは遺言書を残しましたが、弘傑氏はこの法定相続権を言い分にして私邸やノーベル平和賞の賞金を掌握したのです」

 ノーベル平和賞の賞金が新たな争いを生み出すとは誠に皮肉な話だが、実はこの3兄弟、これまでもカネの醜聞が絶えなかったという。

「金大中元大統領の3人の息子は全員、賄賂を受け取ったカドで問題になったことがあるんです」

 これを韓国では、彼らの名前の頭文字を取って、“弘トリオ事件”と呼ぶのだそう。

「大統領の任期末期の2002年から任期直後の03年にかけて、3人の息子のあっせん収賄疑惑が相次いで発覚し、それぞれ逮捕されたんです。執行猶予付き判決などが言い渡されましたが、三男など利益供与を受けた額が36億ウォンにものぼり、父親が大統領だから特別扱いをされたんだと非難が沸き起こったのです」

 さらに、李姫鎬氏の死亡後にもこんな金銭トラブルが。

「姫鎬さんの追悼式が行われたのですが、その費用4500万ウォンが未払いとなり、協賛した企業などから費用を払うよう要望が出されたのです。結局、最終的には支払われたようですが、このときも背景には次男の弘業氏と三男の弘傑氏の押し付け合いがあったのではないかと囁かれているんです」

 たった1つのノーベル賞にまでケチがついてしまった。

週刊新潮WEB取材班

2020年6月9日掲載

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