「柴咲コウ」が食い止めた種苗法改正 母の死から学んだ「エコロジスト」としての生き方

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 コロナ禍のどさくさで画策されていた検察庁法改正案は、当事者である検事長の自爆もあって成立が流れたわけだが、とりわけ世論を喚起したのは、小泉今日子ら芸能人による「反対ツイート」だった。そんな折、与党は別の改正法案成立も見送る方針を示した。こちらの“立役者”は、誰あろう柴咲コウ――。

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 自民党の森山裕国対委員長は5月20日、国内で開発されたブランド果樹や新品種の苗木などの海外流出を防ぐ「種苗法」改正案について、今国会での成立を見送る方針を示した。全国紙政治部デスクの話。

「与党は『日本の農家を守る法律』だとして改正を進めていたのですが、野党からは農作物の自由な栽培が妨げられると反対が出ていました。現行の種苗法では、開発者が新品種を登録すると25年間は種子や苗木などの販売を独占できる一方で、農家の株分けや種取りは容認されてきました。改正案では、こうした農家の自家増殖も規制されてしまうおそれがあるのです」

 こうした改正の流れを堰き止めたのが柴咲である。すでに文面は削除されているものの、

「4月30日にはツイッターで“新型コロナの水面下で、『種苗法』改正が行われようとしています”と法案への懸念をつぶやき“このままでは日本の農家さんが窮地に立たされてしまいます”と訴えかけました。これでネット上では一気に慎重論が広まったのです」(同)

社会貢献活動

 検察庁法の騒動ばかりがクローズアップされる中で静かに、かつ確実に発信力を駆使した柴咲だが、

「そもそも彼女は、筋金入りのエコロジストです」

 とは、さる芸能関係者。

「柴咲は一昨年のインタビューで、19歳で母親を乳がんで亡くしたことに言及し“『何が原因だったのか』『何が悪かったのか』と考えて、行きついたのが『衣・食・住』”などと答えている。同じ年には政府の環境特別広報大使に任命され、“地球の循環、生態系に負荷をかけないものづくり”を謳ったファッションブランドも立ち上げています」

 あわせて、今春の“身辺変化”も大きかったという。

「所属していたスターダストから独立し、4月から自身が代表を務める個人事務所のタレントになりました。もともと柴咲は歌手活動と社会貢献活動に関心があったのですが、事務所は女優として仕事を続けさせたかった。すでに4年前には個人事務所を設立していましたが、これで晴れて自由に行動できるようになったわけです」(同)

 実際に新しい個人事務所のHPでは本人名で、

〈企業活動を通して環境や社会に貢献するための活動にもより一層力を入れて参りたい〉

 との“決意”が綴られ、

「オンラインショップのサイトでは国産の紅ほうじ茶や化学調味料不使用のレトルト食品販売などを手掛けており、自身も最近、味噌を手作りする動画をアップしています」(同)

 付け焼刃でつぶやく数多の芸能人とは、モノが違うというのだ。

週刊新潮 2020年6月4日号掲載

ワイド特集「新しい日常」より

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