コロナ患者激増のブラジル「ボルソナロ大統領」 放送禁止用語連発の閣議ビデオに国民は騒然

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安倍政権と類似!?

 朝日新聞(電子版)は5月24日、「内閣支持率29%、発足以来最低に 朝日新聞世論調査」の記事を配信した。

 記事中には《新型コロナウイルスに対する政府の対応を「評価しない」は57%にのぼり、「評価する」は30%だった》とある。

 また毎日新聞(同)が23日に「内閣支持率27%に急落 黒川氏『懲戒免職にすべきだ』52% 毎日新聞世論調査」の記事を配信した。

 同紙は賭けマージャンで辞職した黒川弘務前東京高検検事長(63)の定年延長問題について質問し、その回答が記述されている。

《黒川氏の定年を今年2月から延長していた安倍内閣の責任については「安倍晋三首相と森雅子法相の両方に責任がある」が47%、「首相に責任がある」が28%。合わせて7割以上が首相の責任を重く見ている》

《黒川氏の定年延長に対しては、首相官邸に近い黒川氏を検察トップの検事総長に就けるためではないかとの疑念が持たれていた。「内閣に責任はない」は15%、「法相に責任がある」は3%にとどまり、首相官邸による検察人事への政治介入を疑う厳しい見方を裏付けた》

 ボルソナロ大統領も新型コロナウイルスの対応や、司法人事に介入して支持率が低下したわけだ。“地球の反対側”に住む私たちの国と奇妙に一致しているような気もする。ジャーナリスト氏の意見に耳を傾けていただこう。

「日本の政治状況と類似した点もあるとは思います。ただし、ブラジルという国を長年、取材してきましたが、『この国の政治家は、ここまで自由に発言してしまうんだ』と改めて驚かされました」

 これでは、新型コロナの感染者も増えるばかりかもしれない。

(註:ボルソナロ大統領の新型コロナに対する発言の出典は、次の通り。イランの通信社ParsToday「ブラジル大統領が新型ウイルスに関し不適切発言」(3月28日)、NHK公式サイト「国際報道2020番組紹介」から「ブラジル大統領 “新型コロナの脅威軽視”で批判高まる」(4月10日)、時事通信(電子版)「『国民7割新型コロナ感染、どうしようもない』 ブラジル大統領、経済再開呼び掛け」(4月19日)、同「5千人死亡『それで?』 コロナ軽視のブラジル大統領」(4月29日))

週刊新潮WEB取材班

2020年5月29日掲載

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