小泉今日子 「#検察庁法改正案に反対します」で思い出す“反逆の歴史”

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キョンキョンに見捨てられた安倍政権が心配

中森:まず、政府側のゴリ押しが誰の目にも、ムリ筋に見えたのでしょう。ただし、誰もが発言を褒められたわけではない。きゃりーぱみゅぱみゅさんなど運動に賛同しても逆に炎上したという例もありました。指原莉乃さんは、自分はよく分かっていなかったから賛同しなかったと話したことが、賢いと賞賛される一方で、安倍派のレッテルを貼られて炎上するということもありました。Twitterは炎上しやすい装置ですし、Twitterのユーザーも外出できなかったり、仕事の先行きの心配もあるから、フラストレーションが高まっていて、ピリピリしているせいもあるでしょう。小泉さんにも、最初のうちは非難の声もあったのではないかと思います。ただ、それでやめてしまっていたら、きゃりーぱみゅぱみゅさんのようにもなる可能性はあった。きちんと考えた上での発言を続けたことで、ネット民からも認知されたのだと思います。芸能人でも、時にはこういうことを言うのもアリだ、というきっかけを彼女が作ったということでしょう。それには彼女の文章力も一役買っていたと思いますよ。

――文章力とは?

中森:講談社エッセイ賞を受賞したり、読売新聞の読書委員も長い間続けられてもいましたから。文章を読んでいただければわかると思いますが、小泉今日子という名を抜きにしても立派な文章が書ける文学者と言っていいと思います。アイドル時代の発言にしても、奔放に見えて、実は思慮深いところがありましたからね。

――今後、彼女は、政治の道に進んだりなんてこともあるのだろうか。

中森:野党は声をかけるんじゃないですか。全国区で出たら確実に当選でしょうからね。むしろ、オファーしなけりゃ立憲民主党もダメだし、消滅寸前の社民党の党首にするとか……野党に魅力的な女性候補はいませんからね。でも、彼女は政治家を目指すタイプではないでしょうし、別に反自民というわけでもないと思います。あくまでも是々非々、共産党の志位(和夫)委員長や、東京新聞の望月(衣塑子)記者をリツイートしたのも、この一件に関しては黙っていられなかったからでしょう。それに、彼女は大衆の意識を読む力に長けていますから。勝算もあったかもしれません。むしろ、キョンキョンに批判されて、法案を引っ込めちゃった安倍政権のほうが心配です。キョンキョンに見捨てられたら、終しまいですよ。

週刊新潮WEB取材班

2020年5月26日掲載

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