『戦争は女の顔をしていない』に触発…コロナ禍の“女性兵”戦争映画ベスト3

エンタメ 映画 2020年5月22日掲載

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体を張る生身の女優たち

 巣ごもり生活の中で、動画も大半は見飽きたよ、何か毛色の変わったものはない?というムキは少なくないだろう。そこでおススメしたいのが、女性兵をテーマにした戦争映画。ソ連もの3つを解説する。

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 新型コロナウイルスと人間の戦いは、時に「戦争」とたとえられる。

 コロナ禍が「戦争」ならば、戦いの最前線は病院などの医療施設だ。そこには多くの女性が兵士=医師・看護師・医療技師として働き、その活躍は真に尊敬に値する。

 ただ、私たちは普段、「女性兵士」という存在を意識することはあまりない。ところが今、女性兵士が注目されている分野がある。

『戦争は女の顔をしていない』(小梅けいと画 KADOKAWA)というコミックが売れている。

 ノーベル賞作家スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチの重厚なノンフィクションを漫画化した作品としてWEB連載が始まった時から話題になり、今年1月、単行本が発売されるとジャーナリストの池上彰氏が大きく紹介、10万部を越えるベストセラーになった。

 内容は第2次世界大戦時、ソビエト連邦(ソ連)軍に従軍した女性兵たちの戦場回想録だ。愛らしい少女マンガのタッチで描かれているが、国家と軍に忠誠を誓い、戦地の悲惨に耐え、敵兵を殺すに至る女性兵たちのつらい経験とその後の苦しみがシリアスに綴られている。

 優しい絵柄と女性兵の残酷な経験のギャップが読者の心をとらえたようだ。

 日本人からすれば、女性が男性と同じ兵として入隊・従軍することは非人道的に感じられるかもしれないが、それは違う。ロシア革命以降、科学的社会主義を標榜したソ連政府は徹底した男女平等を理想とした。そのため女性も募兵の対象とし、多くの女性が入隊を名誉と感じて志願し、志気も非常に高かったのだ。

 そうしたソ連時代の女性兵たちの活躍を描いた実写映画が何作か製作されている。すべてロシア映画で、ハードな戦闘描写のある本格的な戦争映画である。

 ロシア映画といえばソ連時代の「ヨーロッパの解放」などのように長く退屈なプロパガンダ映画を想像するかもしれないが、近年のロシア映画はスピーディで緊張感ある演出のハリウッド映画のようなエンタメに進化した。昨年劇場公開された「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」は実物の戦車を使った戦争娯楽作として話題になり、雑誌『映画秘宝』では年間ベストテンに選ばれた。

 そのように見応えのあるロシア映画で、生身の女優たちが女性兵に扮し、体を張った演技で戦闘を繰り広げる作品をここで3本紹介しよう。すべてDVDレンタルやネット配信で観ることができる。外出自粛が終わっても、在宅ワークは“基本”となりそうな情勢の中で、コロナと戦う女性たちに思いを馳せながら、これらの作品に触れてみてはいかがだろう。

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