マスク不足は解消されたけれど…品質は二極化 知っておくべき“危ない商品”の見分け方

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二極化するマスクのクオリティ 見分け方は

 先述の記事でもご登場いただいた渡辺広明氏はこう語る。

「不織布の高騰はいまだに続いていますから、いわゆる“質の良いマスク”は相変わらず不足しており、価格も値下がりしていません。一方、品質が担保されていないマスクは値下がりしていますね。いわばマスクは二極化の状態にあるといえるでしょう」

 怪しいマスクを見分ける方法はあるのだろうか。小売業の流通事情にも詳しい氏によると、大手コンビニが仕入れるマスク入荷の基準にしている要素が、参考になるかもしれないという。

「最近はコンビニでマスクが買えた、という声を聞くようになりました。大手は基本的に、一定の基準を満たした製品しか仕入れないようにしているそうです。その基準とは(1)日本衛生工業連合会の「全国マスク工業会マーク」がついている商品、(2)BFE(バクテリアろ過率試験)3・0um、VFE(生体ウイルス遮断効率試験)0・1~5・0um、PFE(ラテックス微粒子遮断効率試験)0・1umの3つの品質をクリアしているかどうか、です」(同)

 パッケージに工業会のマークがある、もしくは上記3品質についてきちんと明記されているか否か、がポイントだという。

「これを踏まえて世間に出回っているマスクを見ると、個人店で売られている中国製のマスクには、どの要素も書かれていないことが少なくありません。大手のドラッグストアも上記の基準を設けているようですが、有名ドラッグストアで売られているといえども油断はできません。私が某ドラッグストアで見たのは『BFE』『PFE』について記載はあっても『VFE』については触れられていない製品でした」(同)

 いささか乱暴かもしれないが、大手コンビニで売られているマスクであれば比較的安心できる、といった結論になるだろうか。(※店舗が個別で仕入れている例外もアリ)

 もっとも渡辺氏にいわせれば、「使い捨ての高性能マスクは医療や介護従事者、花粉症や病気で必要としている人に回し、一般消費者は『アベノマスク』などの繰り返し使用できる布マスクを活用すべき」。それでも不織布マスクがいいという方は、“安物買いの銭失い”にならないよう、参考にされたい。

週刊新潮WEB取材班

2020年5月20日掲載

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