消えない「金正恩」の影武者説 重体報道と20日間の動静不明が意味するもの

国際 韓国・北朝鮮

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追い詰められた正恩

 重村教授によると、父親の金正日に複数の影武者が存在したことは“事実”として認定されているという。

「複数の日本人が北朝鮮で正日氏の影武者に面会し、警察庁や警視庁も事実関係を把握しています。それこそ影武者の肉声も入手しているはずです。高官の子弟から容姿が似ている者を選抜し、最終的には整形手術を受けさせました。正日氏は権力闘争による暗殺を恐れていたことがあり、そこから影武者の必要性が生じたようです」

 影武者の1人は面会した日本人に「屋外の行事は暗殺の危険性があるので自分たち影武者の出番だ。屋内の行事は安全性が高いので自分たちの出番はない」と説明したという。

 驚くべきことに2002年9月、当時の小泉純一郎首相(78)と会談した金正日でさえ、影武者説が依然として囁かれているという。糖尿病が極めて悪化し、とても会談できるような状態ではなかったというのがその根拠なのだ……。

 そんな父親の息子である。自分も影武者を用意して全く不思議はない。そして何より、今の正恩は一種、“追い詰められた”状態にあるという。

 アメリカは今回、CNNの報道だけでなく、ドナルド・トランプ大統領(73)も健康不安説を積極的に言及した。これを重村教授は「意図的な発言でした」と指摘する。

「正恩氏の消息が不明となり、あぶり出そうと情報戦を仕掛けたのは間違いありません。ただし現時点では、アメリカの圧力より、北朝鮮国内に正恩氏の健康不安説が瞬時に広まったことのほうが大きかったようです。噂が駆け巡り、国内の一部に動揺が走った。これを懸念した幹部たちは、何が何でも正恩氏の元気な姿を報じる必要性がありました。つまり、やはり正恩氏の健康状態には問題が生じており、影武者を使わなければならないほど追い詰められていたと見るほうが、全ての辻褄が合うとは思えるのです」(同)

週刊新潮WEB取材班

2020年5月12日掲載

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